産経新聞社とFNNが7月末に実施した合同世論調査で、外国人による不動産取得に関して「規制すべきだ」と答えた人が全体の77・2%を占めていたことが分かりました。最近の異常な地価高騰で、このままでは日本人は家を買えなくなると多くの人が不安に思っているようです。
ところが、外国人不動産取得規制のための具体策となると簡単ではありません。国籍によって障壁をもうけると差別だの排外主義だのと非難されるので、政府はどうしても慎重になります。石破政権は、確実に票になると分かっていながら手を付けられませんでした。
そうしたなか、松原仁先生が実にユニークな解決策を質問主意書のかたちで8月1日に提言しました。タイトルは「外国資本による不動産市場におけるマネー・ローンダリングの防止に関する質問主意書」で、簡単にいえば、外国人へのマネロン対策を厳しくして資金の出所について根掘り葉掘り質問するようにして、犯罪収益・グレー資金の流入を激減させるという策です。
年収数百万円の中国共産党の地方幹部が、東京の2億円のタワーマンションを貯金で買えるはずはありません。むろん本人は「宝くじに当たった」「カジノで勝った」などと言い訳するでしょうが、あり得ません。すべて収賄や強請、横領などで得た犯罪収益です。中国人の金持ちにはその手の犯罪者が結構含まれていますので、しつこく尋問して納税証明書を求めるようにすれば、不動産投資を相当減らすことができます。
2000年代に、スイス最大手の銀行UBSがアメリカでの脱税幇助で摘発された後、スイス政府はアメリカ政府の圧力に屈して銀行秘密保護の法律を曲げました。すると、何十兆円、何百兆円ものグレー資金がスイスからシンガポールに逃避しました。後ろめたいカネは規制に非常に敏感で、マネーロンダリング対策強化は確実に効果を発揮するのです。日本の不動産市場でも同じで、監視強化によってグレー資金流入を大幅に減少させられるだけでなく、犯罪収益で買った不動産の投げ売りも期待できます。
松原先生は、質問主意書の冒頭で具体例を挙げています。産経新聞が7月に打ったスクープによれば、日本人を主なターゲットにした交流サイト(SNS)型投資詐欺の詐取金約500億円がマネーロンダリングされていた事件で、警視庁などの合同捜査本部が逮捕した男が、不正に得た犯罪収益で日本の不動産を購入して中国人らに売却し、2億円以上の利益を得ていたことが判明しました。
組織犯罪処罰法違反罪で公判中の林明旺被告(38)は、経営する不動産会社で、犯罪収益を元手に購入した老人ホームや工場など数軒を売却して利益を得ていたとみられ、売却先のほとんどは中国人だということです。
松原先生は、「極めて憂慮すべき事態であり、早急に適切な措置が講じられるべきであると考える。とりわけ、犯罪収益等の不動産市場への流入が不動産価格の高騰を招き、住宅事情を悪化させている可能性も鑑み、政府に断固たる措置を求めたい」と書いていますが、本当にその通りではないでしょうか?
組織犯罪処罰法違反罪で公判中の林明旺被告(38)は、経営する不動産会社で、犯罪収益を元手に購入した老人ホームや工場など数軒を売却して利益を得ていたとみられ、売却先のほとんどは中国人だということです。
松原先生は、「極めて憂慮すべき事態であり、早急に適切な措置が講じられるべきであると考える。とりわけ、犯罪収益等の不動産市場への流入が不動産価格の高騰を招き、住宅事情を悪化させている可能性も鑑み、政府に断固たる措置を求めたい」と書いていますが、本当にその通りではないでしょうか?
現行の不動産業界のマネーロンダリング対策の実態は、疑わしい取引の届出件数で分かります。警察庁が発表した「犯罪収益移転防止に関する年次報告書」によれば、令和6年度の疑わしい取引の届出は全体で84万9861件あったのに対して、不動産業者からのものはたったの25件でした。85万中の25件。本当にお話にならないレベルです。
そこで松原先生は、政府がマニュアルや書式を用意した上で不動産業界を行政指導して、不動産を買おうとする外国人に資金の源泉について根掘り葉掘り質問させるようにせよと求めています。どうやって購入資金を得たのか詳しく聞き取り、給料明細、銀行口座取引報告書や納税証明書などの書類で確認すべきです。欧米金融業界で当然とされていることを徹底させるだけで、東京のタワーマンションを買う外国人は何割も減るはずです。そして少しでも怪しい点があれば、不動産会社は犯罪収益移転防止法第8条に基づいて疑わしい取引として届け出る義務があります。義務履行を徹底させる必要があります。
現在不動産業界では、取引に際してデータベースを検索していわゆる反社チェックをするほか、高リスクと判断した顧客については厳格な対応を取ることになっています。これらの手法は、日本国内の犯罪者については一定程度有効だと思います。
ところが海外の犯罪者には機能しません。言うまでもなく日本のデータベースに、ニューヨーク・マフィアの五大ファミリーの構成員一覧など出ていません。また外国人については、不動産会社のほうで一般常識に基づいて「コイツ不良だな」と見破ることが困難です。たとえば中国の大物犯罪者の相当部分は中国共産党幹部です。胡散臭い雰囲気を醸し出している日本のアウトローと違い、中国ではエリートが当然のことのように公金を盗んだり収賄したりしているのです。「真面目そうな人」も犯罪者なので、徹底した質問と書類確認は必要不可欠です。
これに対して8月15日に閣議決定された政府答弁書は、「重要であると考えている」「引き続き、宅地建物取引業者に対する周知徹底を図ってまいりたい」としました。政府の最も高いレベルの答弁ですから、官庁の指針となります。地道に政策提言を続ける松原先生に感謝です。
ただ蕎麦屋の出前と違って、その日のうちに結果が出ることではありませんから、国民が厳しく監視しないと誤魔化されてしまいます。政府が不動産業界を厳しく指導するかどうか、しっかり監視していきましょう。そして外国の犯罪収益・グレー資金を排除することで、地価高騰を抑制しましょう。ご協力よろしくお願いします。

日の本の國の光のそひゆくも
神の御稜威によりてなりけり
(明治天皇御製)

