過去にも報告している中国による海底ケーブル破壊工作問題ですが、新たな動きがありました。香港の英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストが報じたところによれば、中国江蘇省の中国船舶科学研究センターが水深4000メートルの深海においても破壊工作を行うことができる海底ケーブル切断装置を開発したと学術誌で公表しました。

脅しの意図は明らかだと思います。そもそも国家テロ以外に使用目的が考えられない装置を、公表すること自体が異常です。中国による我が国に対する、「太平洋の公海上で海底ケーブルを全部切断できるんだぞ。そうなったら日本は情報の孤島だ。日本経済はメチャメチャになるんじゃねぇのか?」という脅迫メッセージではないでしょうか?

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この問題に先駆的に取り組んできた松原仁先生は4月14日、政府に再質問主意書を提出して発破をかけました。質問一で「海底ケーブルに対する破壊工作は、国際社会の繁栄や秩序に敵対する行動であると認識するが、政府の見解如何」と問うた上で、「海底ケーブルに対する破壊工作を実行した国や組織を、国際社会が結束して非難し、また場合に応じて制裁措置を実施するよう働きかけることでこれを抑止すべきと考える」と質問のかたちで政府に提言しています。
また、政府の褒めるべきところは褒めていて、前回の質問主意書を提出したあとに岩屋外相がG7外相会合で問題提起し、採択された声明文で海底ケーブルに対する破壊工作について懸念が共有されたことを「積極的に評価したい」としました。

それに対して、4月25日に閣議決定された政府答弁書は割としっかりした内容でした。首脳共同声明や国際会議の共同声明に触れたうえで、「政府として、今後とも引き続き、このような国際的な取組を進めていく考えである」としました。木で鼻をくくったような政府答弁書を多数みてきた者には、なかなか新鮮に映る表現です。G7内で海底ケーブル切断が大問題になっていて、日本も本気で取り組まざるを得ない情勢なのかも知れません。

日本政府が本気になったのは一歩前進ですが、むろん問題が解決したわけではありません。中国に、「海底ケーブル切断は世界を敵に回すので失うものが大きすぎる」と思わせて、抑止する必要があります。これは私たち民間の手におえることではなく、政府が各国と連携してはじめて可能になります。国民世論を盛り上げ、みんなで政府の尻を叩き続ける必要があります。ご協力よろしくお願いいたします。




Emperor Meiji uniform
西の海なみをさまりて百千船
ゆきかふ世こそたのしかりけれ
(明治天皇御製・明治二十九年)