外務省による中国への忖度、阿りが続いています。いま多くの邦人が不当に拘束されていて、岸田総理が首脳会談で提起しても進展がなかったにもかかわらず、外務省は海外安全ホームページで中国(占領地を除く)に危険レベルを設定していません。

ホームページをご覧いただくと分かるように、危険レベルには「レベル1 十分注意してください」「レベル2 不要不急の渡航は止めてください」「レベル3 渡航は止めてください」「レベル4 退避してください」の4段階があります。「十分注意してください」なら日本国内だって一部繁華街が当てはまるかも知れません。国でいうとインドやサウジアラビアが国土全部についてレベル1以上になります。ところが上海や北京はレベル1になっていません。「十分に注意するような危険はない」という意味になります。そんなバカな、と思いませんか?

アメリカ国務省の旅行アドバイザリーと比べると、外務省記述の異常性は明らかです。国務省は中国について「レベル3 渡航を再考せよ」としていて、「出国禁止措置や不当な拘束の危険を含む、現地の法律の恣意的運用があるため、渡航を再考するように」と書いています。その上で要約として、「国務省は、中国国内で、中国政府による米国国民への不当な拘束の危険が存在すると認定する」としたほか、中国政府が、中国国民に有利なように民事紛争を解決する目的や、外国政府との交渉で優位に立つ等の目的で、過去に出国禁止措置を利用したとしています。

中国のやっていることは犯罪組織そのものです。正当な理由もなく人をさらって監禁する。さらに中国人と商売でトラブルになると、政府が出国禁止措置を悪用して外国人を脅すというのです。アメリカ政府がバックにいるアメリカ人でさえ危険と国務省が言っているのですから、日本人は言わずもがなです。

matsubarajin

幸い松原仁先生がこの問題に取り組んでくれています。衆議院外務委員会で外務大臣に対して、中国をレベル1以上にしろと繰り返し要求しています。11月17日の質疑の様子はX上の動画でご覧いただけます。「これから次々と日本人が捕まるようなことがあったら、どう責任を取るのか!」と厳しく追及しました。
さらに11月20日に、前記の国務省旅行アドバイザリーについて尋ねた「外務省と米国国務省による中国危険情報の乖離に関する質問主意書」を提出しました。

それに対して12月1日に閣議決定された政府答弁書は、納得のいく内容ではありませんでした。外務省は、米国国務省の見解を前提とした質問なので「政府としてお答えする立場にない」といって逃げました。
むろん松原先生は引き下がりません。これは日本国民の安全に関わる重大な問題です。引き続き外務省を追及していきます。

外務省が中国への忖度を、日本人の安全よりも優先していることは許せません。外務省職員は胸に手を当てて、己の職責はなにか考えるべきです。



Emperor Meiji uniform
言葉もて教ふることはやすけれど
かたきは人のおこなひにして
(明治天皇御製)