国連でロシアを擁護し、戦争犯罪を助長している国々に、私たちの血税が2400億円以上も投入されてきたことをご存じでしょうか?

2月23日の国連総会緊急特別会合で、ロシア軍のウクライナからの即時撤退等を求める決議が141か国の賛成で採択されました。林外相は共同提案国として「想像してみてください。もしあなたの国が侵略されたら・・」と訴えて、珍しくマトモな演説をしたと話題になりました。

この決議案に7か国が反対票を投じています。ロシア、北朝鮮、シリア、ニカラグア、マリ、エリトリア、ベラルーシです。後者の4か国に、過去累計で2400億円以上ものODAが投入されてきました。外務省ホームページによればニカラグアに2020年度まで累計1366.02億円、マリに2020年度まで累計886.99億円、エリトリアに2018年度まで累計159.35億円、ベラルーシには2017年3月まで累計1285万ドルです。

一体外務省は何をやってきたのでしょうか? 敵対勢力を税金で支援するほど愚かことはありません。

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岸田総理が議長としてまとめた2月24日のG7首脳声明は、正反対のことを述べています。声明文の10 (i)は、ロシアを物質的に支援する第三国は「深刻なコストに直面する」と警告しました。ならば、国連総会の場でロシアを堂々と支援した国も、深刻な結果に直面すべきではないでしょうか?

実は昨年11月、財務省もロシア支援国へのODA見直しを求めました。外務省を公然と批判したわけで、異例のことです。財政制度等審議会が発表した「令和5年度予算の編成等に関する建議」の109ページに、「例えば、ロシアのウクライナ侵略に対する国際的非難に否定的な国への支援を継続している現状が、外交上最善なのかどうかを議論することも考えられる」とあります。いささか外交的な表現ですが、要はやめろということです。

1300億円以上のODAを得てきたニカラグアには、ロシア支援問題だけでなく、深刻な人権問題もあります。外務省ホームページに、「2018年4月、社会保障改革を発端とした反政府抗議デモが勃発し、警察やパラミリタリーによる武力を用いた弾圧等により300名以上が死亡」とあります。ニカラグアは人口が600万人程度の国ですから、比率で日本に当てはめるなら6000人以上が殺される事態が起きているということです。

政府は昨年12月、松原仁先生への閣議決定された答弁書で、ODA実施に当たっては「開発途上国の民主化の定着、法の支配及び基本的人権の尊重を促進する観点から、当該国における民主化、法の支配及び基本的人権の保障をめぐる状況に十分注意を払う」ことを原則としていると明確にしました。ならばニカラグアは、もっとも支援してはいけない国ではないでしょうか? 私たちの税金が、左翼ゲリラ出身のオルテガ政権を強化し、自由を求める人々を苦しめてきたのです。許されることではありません。

松原先生への政府答弁には、「政府としては、諸般の状況を総合的に判断の上、開発協力援助を実施することを基本的考え方としている」ともあります。ニカラグアのオルテガ政権は、アメリカの経済制裁対象です。2021年には台湾と国交断絶して、中国と国交を結びました。自由陣営の敵を支援して、なにが「諸般の状況を総合的に判断」なのかと呆れます。

そもそも今の日本は、気前よく世界にカネをバラ撒けるような金満国ではありません。日本国内に困っている人が大勢いますし、巨額の防衛費が必要になります。外務官僚の勝手にさせてはいけません。政府は、ロシア支援国へのODA停止を発表するところから改革をはじめるべきです。



Emperor Meiji uniform
こと繁き世のまつりごと聴くほどに
春の日影も傾きにけり
(明治天皇御製)