★金正恩が墓穴を掘っているぞ!

在宅ロビー活動にご参加いただいている皆様、朗報です! 金正恩が自分で自分の首を絞め、一生懸命墓穴を掘っています!

 

見てのとおり、頭は悪い


北朝鮮の核実験は準備が整い、すぐにも実施されると報じられています。恐らく過去の成功体験から、核実験をやればより大きな妥協を引き出せると金正恩は考えたのでしょう。
ところがそれは大きな間違いです。オバマ大統領は、選挙の年だというのに北朝鮮に大恥をかかされたのです。2月の米朝合意は一瞬で破られ、大統領生活最大の恥辱を味わいました。少なくとも本年中に、北朝鮮が納得できる条件でオバマ大統領が妥協することは決してありません

代わりに待っているのは、厳しい制裁です。中央日報によれば、オバマ大統領は430日の日米首脳会談後の記者会見で、
「挑発をして関心を引き、国際社会を相手に要求をするような古いパターンは崩れたことを北朝鮮は分からなければならない」
「北朝鮮が挑発を続ければ、外交・政治・経済的な孤立は深刻になる」
と警告しました。

http://japanese.joins.com/article/399/151399.html?servcode=500&sectcode=500
もちろん本気です。

 

このとき徹底制裁を警告(ピート・ソーサ撮影)


そう、北朝鮮の核実験によって、制裁強化の大チャンスが訪れるのです。私たちの努力が実る日が近づいています。がんばりましょう!


★中国は国家犯罪の支援者か!

いっぽう、腹立たしいニュースも入ってきました。北朝鮮ミサイル発射への制裁として、国連安保理の北朝鮮制裁委員会に各国が43団体を制裁対象として提案しましたが、中国の反対3団体しか追加できませんでした。

http://sankei.jp.msn.com/world/news/120503/kor12050308380000-n1.htm

中国は、北朝鮮の国家犯罪を支援していることが明らかになりました。
各国が国連に提出したのは、核・ミサイル開発、拡散に関与している確実な根拠がある北朝鮮企業のリストです。中国は国際社会の取り組みを妨害し、犯人隠避を行い、北朝鮮国家犯罪を支援したのです。

2009
年に、ヒズボラのミサイル攻撃で負傷したイスラエル在住のアメリカ人30人が、ヒズボラと支援していた北朝鮮に1億ドル以上の損害賠償を求める訴訟を、ワシントン連邦地裁に起こしました。

http://www.yomiuri.co.jp/feature/20080115-899562/news/20090411-OYT1T00701.htm
今後は北朝鮮武器密輸を支援したとして、中国政府にも賠償を求めてもらいたいものです。アメリカの裁判官は柔軟なので、ひょっとしたら勝訴できるかも知れません。


★国連の委員

新聞報道に出てくる「北朝鮮制裁委員会」とは、北朝鮮制裁を定めた国連安保理決議1718号によって作られた国連の委員会ですが、その下に決議1874号による専門家パネル」があります。専門家パネルは国連事務総長が指名した専門家(日本人含む)で構成され、北朝鮮制裁履行状況の情報収集・監視・促進を任務としています。2010年には優れた報告書を出しています。

http://www.un.org/sc/committees/1718/panelofexperts.shtml

私は以前から専門家パネル委員に手紙やメールを送っています。前々回から取り組んでいる密輸船運航会社制裁についても、メールとファックスで訴えました。

本ブログ2012年4月5日付記事

 

国連


国連安保理決議1874号は、北朝鮮密輸船への公海上での立ち入り検査を明確に定めています。密輸の情報がある場合、「厳格な履行を確保する目的で、旗国の同意を得て公海上で船舶を検査することを要請する」と全加盟国に求めているのです。

http://www.mofa.go.jp/mofaJ/area/n_korea/anpori1874.html


前々回にアメリカ海軍が公海上で、北朝鮮密輸船ライト号に対して船籍国の同意を得た上で検査を求めたことを書きましたが、完全に国連安保理決議に則ったものです。さらに国連海洋法条約92および公海に関する条約第6により、船籍国が同意している以上ライト号には従う義務がありました。
それにも関わらず、要求を拒絶して逃げ帰った行為は極めて悪質であり、その運航・所有会社は厳しく罰せられなければなりません。

本件は我が国の安全保障にとっても由々しき問題です。公安調査庁が本年1月に出した『内外情勢の回顧と展望』の41ページ「我が国に対する有害活動」の中に、
6月(著者注・昨年)には、大量破壊兵器関連物資を積載していた可能性が指摘される北朝鮮船舶(MVライト号)が、中国南方沖で米艦船の追跡を受け、再三にわたる貨物検査要求を拒否し、北朝鮮に帰還していたことが明らかになった」
と書かれています。

70ページしかない冊子で名指しされるほど、重要度が高いのです。
http://www.moj.go.jp//content/000084409.pdf


当然のことながら私は、日本政府や国会議員の先生方にも制裁を求めるロビー活動を行っています。
またこのたび、アメリカの議員158人に航空便で手紙を出しました。


★国連に訴えよう!

今回皆様にお願いしたいのは、専門家パネルへの訴えです。核実験後に追加制裁(新たな国連制裁決議)が行われますが、そのとき密輸船運航会社が制裁されるよう、働きかけをお願いしたいのです。

これには、中国の悪辣さを知らしめるという狙いもあります。ライト号を運航していたのは、遼寧省の大連シー・グローリー海運です。中国は自国企業が北朝鮮国家犯罪に加担したのに取締まらず、逆に国連の取り組みを妨害しているのです。こういうのを共犯者といいます。どんどん訴えて、恥をかかせてやりましょう。

今回はメールアドレスが分かるので、普通にメールを送ることができ簡単です。またファックス番号もあるので、気軽にファックスを送ることもできます。できたら両方お願いします。
専門家パネルに訴えるNGOは非常に少ないので、確実に話題になりますし、高い確率で読んでもらえます。露出度の低いキーパーソンへの直接の訴えは、効果あるのです。

密輸船阻止は北朝鮮の外貨収入源を破壊し、ますます困窮させ、拉致被害者を返さざるを得ない状況を作ります。また交渉での日本のバーゲニングパワーを大いに強化します。
助けを待つ拉致被害者のため、ほんの少しだけ時間を投資してください。よろしくお願いいたします。


送り先
メールアドレス
dpa-poe4@un.org
ファックス番号
1-212-963-2013
KDDIの場合、前に001-010をダイヤルするだけで繋がります。国内に送るのと大して変わりません)


例文
件名: North Korea’s Smuggling Operations
本文:
Dear Ambassador Everard,

I am writing to respectfully request that the Panel of Experts impose sanctions on shipping companies that have operated vessels suspected of smuggling North Korean-made missiles
and refused the US Navy’s demand to search in the high sea.

As you are well aware, on 26 May, 2011, USS McCampbell demanded to board Belize flagged M/V Light after the authorities in Belize gave permission to the US to inspect the ship. M/V Light refused four times and returned to
North Korea.
http://www.nytimes.com/2011/06/13/world/asia/13missile.html?_r=1

I have learned that M/V Light changed its name to M/V Victory 3, changed its flag to Sierra Leone and changed its registered manager to a group company, but still in operation. Its registered owner Ever Ocean Shipping Agency Co and former manager Dalian Sea Glory Shipping Co have not been charged.
Dalian Sea Glory Shipping Co is currently managing seven vessels which are free to enter other countries and its group company Sea Star Ship Co Ltd is managing two vessels.


In 2009, North Korean-flagged M/V Kang
Nam 1 turned round and headed back to North Korea after being tracked by the US Navy on suspicion of carrying weapons bound for Burma. As you may remember, the North Korean authorities threatened that any attempt to board its ship would be viewed as an act of war and promised “100- or 1,000-fold” retaliation if provoked.
http://news.bbc.co.uk/2/hi/8127814.stm

I have learned that Kang Nam 1 is still operating under the same name and same ship manager, Kumrung Trading Co Ltd in Pyongyang.

Despite the threat
North Korea’s WMD proliferation poses to the international community, the risk of smuggling is relatively low and for some companies it pays. There must be harsh penalties for those who refuse search in the high sea, or otherwise the only risk of smuggling would be extra fuel to return to North Korea.

Very truly yours,

(あなた様のお名前)

 

エベラード大使が以前勤務していたイギリス外務省


翻訳文

親愛なるエベラード大使

北朝鮮製ミサイルを密輸していた疑いで米海軍に検査を求められたものの、北朝鮮に逃げ帰った船の運航会社に制裁を課していただきたく、専門家パネルに謹んでお願いする次第です。
ご存知のとおり2011526日に、ベリーズ当局から同意を得たあと、駆逐艦マッキャンベルはベリーズ船籍のライト号に検査を要求しました。ところがライト号は4度も拒否して北朝鮮に戻りました。
(ニューヨーク・タイムズ記事のURL
その後ライト号はヴィクトリー3号と名前を変え、船籍をシエラレオネに変更し、登録運航会社をグループ会社に名義変更しましたが、いまだ運航されています。登録所有者であるエバー・オーシャン海運も以前の登録運航会社である大連シー・グローリー海運も、逮捕・起訴されていません。
大連シー・グローリー海運は現在7隻の船舶を運航し、他国に自由に出入りできます。またグループ会社のシー・スター・シップ社は2隻運航しています。
2009
年には、北朝鮮籍のカン・ナム1号がビルマ向けの武器を積んでいる疑いで米海運に追跡されたあと、転回して北朝鮮に戻りました。ご記憶かも知れませんが北朝鮮当局は、検査を宣戦布告とみなし「100倍、1000倍」にして報復すると脅迫してきました。
BBC記事のURL)
カン・ナム1号は同じ名前のまま、運航会社も同じクムルン貿易(平壌)のまま、いまだ運航されています。
北朝鮮の大量破壊兵器拡散が国際社会にもたらす脅威にもかかわらず、密輸のリスクは比較的低く、危険に見合うと考える企業があります。公海上で検査を拒否する船舶に対しては、厳しい制裁が課されなければなりません。そうでなければ密輸の唯一のリスクは、北朝鮮に逃げ帰る燃料代だけということになってしまいます。
敬具


宛名のエベラード大使は元駐北朝鮮イギリス大使で、専門家パネルの座長を務めています。昨年すばらしい証言をしてくれたことは書きました。

本ブログ2011年2月20日付記事

北朝鮮製兵器がテロリストに渡る事態は、イギリスの安全保障にとっても大変な脅威です。イギリスはオリンピックを控えた現在、ピリピリしています。エベラード大使は全力で取り組んでくださると思います。

それでは皆様、専門家パネルのエベラード大使にメールやファックスをお送りください。よろしくお願いいたします。