寒い日が続くと、いまごろ拉致被害者はどうしているのだろうと考えます。

真冬の平壌は極寒です。マイナス10度を下回ります。日本と違って暖房器具は満足にありません。エネルギー源の食事にも事欠きます。着るものだって乏しいです。北朝鮮工作員にさえ目を付けられなければ、日本で幸せに暮らしていたはずの私たちの同胞が、震えながら助けを待っています。

yokotamegumi

1月19日に出演したニュース番組「あさ8!」で、救出のため打てる手が多数あるのに、政府はやっていないことを具体的に説明しました。
岸田総理による「最重要課題」「金正恩委員長と直接向き合って」といった定型フレーズは、誤魔化しに過ぎません。実際に効果がある施策を実行して、はじめて取り組んでいるといえるのです。これだけ不作為がある以上、取り組んでいるとは到底言えません。


打てる手の一つが、朝鮮総連の中央委員(350人以上)と専従職員への再入国禁止の制裁です。北朝鮮に渡航したら再入国を認めない、日本に戻ってくることができない、という措置になります(拉致被害者を返せば日本も解除)

現在の再入国原則禁止措置は、朝鮮総連最高幹部と核・ミサイル技術者(韓国籍の者含む)しか対象になっていません。不当に範囲が狭いです。日本政府が構成員の拉致関与を認定した朝鮮総連が、自由に本国に戻って指令を受けたり研修を受けたりできるなんて、ムチャクチャではないでしょうか? 本来であれば2016年の核実験後に、中央委員・専従職員の全員に制裁措置を講じるべきでした。実際にそのような声が政府内にあったと仄聞しています。

外務省は2016年12月2日、再入国禁止の拡大対象について、
「在日の北朝鮮当局職員が行う当局職員としての活動を補佐する立場にある者」
と発表しました。

この表現を一般的に解釈するならば、中央委員・専従職員を補佐する非常勤活動家を指します。たとえば「日本大使館職員を補佐する立場にある者」といったら、大使館のアルバイトのことだろうと普通考えます。本来、1000人以上の朝鮮総連関係者が制裁対象になっていなければおかしいのです。

家族会の飯塚耕一郎事務局長は昨年6月8日に開かれた参議院拉致問題特別委員会で、
「本当にこれ以上何もカードがないのかというのを議論する必要があります。カードがないなら、更なるカードをつくるべき」
「北朝鮮との交渉に圧力は必ずあるべきです」
と求めました。

幸い松原仁先生が、昨年開かれた衆議院外務委員会で「中央委員・専従職員を再入国禁止にせよ!」と林外相に迫ってくれました。引き続き皆様とともに、政府に訴えていきたいと思います。



Emperor Meiji uniform
夜をさむみねざめの床におもふかな
雪にうもれし里はいかにと
(明治天皇御製)