★ 凄い答弁が出た! 

在宅ロビー活動にご参加いただいている皆様、朗報です。松原仁先生が拉致問題に関する質問主意書を5本も出してくれて、5月17日の閣議でたいへん意味ある答弁が決定されました。
特に内閣府大臣政務官(金融担当)の長尾たかし先生が作成指導した答弁は予想を上回る前向きな内容で、朝鮮総連幹部が暴力団員なみに銀行口座を強制解約させられる可能性が出てきました。長尾先生、松原先生に大感謝です!

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中央が長尾たかし先生

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松原仁先生

5月7日提出の「米国金融制裁の朝鮮総連幹部等への適用に関する質問主意書」で松原先生は、日本の銀行がアメリカ金融制裁対象の朝鮮総連幹部と取引していて良いのか?と質問しました。
むろん良いはずありませんが、通常政府答弁というのは「意味するところが明らかではなく、お答えすることが困難である」といった決まり文句で逃げるものです。あまり期待していませんでした(質問・答弁を一番下にコピーします)

ところが長尾先生監督下で作られた答弁は異例の直球でした。金融庁作成の「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドライン」で明確化された措置の実施を金融機関に求めると答えたのです。同ガイドラインは銀行グループに対して、顧客受入れ方針策定等について海外拠点を含めて「グループとして一貫した」かたちで実施せよと指導しています。そして答弁では、「顧客の氏名等と関係当局による制裁リストとを照合する」ことを求めるとしています。つまりアメリカ支店が法律上取引できない制裁対象者とは、日本でも取引してはならないということです。朝鮮総連幹部の銀行口座を閉鎖せよという意味になります。

分かりにくいと思うので詳しく解説します。アメリカ大統領令13687号は北朝鮮政府・朝鮮労働党の当局者(official)を制裁対象に範囲指定していて、その後に出された大統領13722号は北朝鮮政府・朝鮮労働党を制裁対象として正式に指定(designate)しました。さらに大統領令13810号はアメリカ管轄下にない「外国金融機関」でも、制裁対象と重要な取引を行った場合に制裁をかけられると定めています。主要部分の日本語訳は下記のとおりです。


大統領令第13687号(2015年1月2日公布・施行)

第1項(a) 財務長官が国務長官と協議して決定した下記の者の、米国内にある、以後に米国内に入る、又は以後にいかなる米国人の占有若しくは支配下に入る、すべての財産及び財産に関わる権利は凍結され、移転、支払い、輸出、引き出し、又はその他の関与を行うことを禁止する。
 (i) 北朝鮮政府又は朝鮮労働党の機関、部門、又は支配下の団体
 (ii) 北朝鮮政府の当局者
 (iii) 朝鮮労働党の当局者
 (iv) 北朝鮮政府、又は本命令によって財産及び財産に関わる権利を凍結される者に対して、物質的援助、資金提供、又は財政上、物質的若しくは技術的支援を与え、又は直接に若しくは支援のために物品若しくは役務を供与した者
 (v) 北朝鮮政府又は本命令によって財産及び財産に関わる権利を凍結される者によって直接的又は間接的に、所有若しくは支配され、又はそのために行動し若しくは行動すると称し若しくは代理人として行動した者

第6項(c) 用語「米国人(United States person)」は、すべての米国市民、永住権保持外国人、米国又は米国管轄下の法律により組織された団体(外国支店を含む)、又は米国内のすべての者を意味する。


大統領令第13722号(2016年3月15日公布・施行)

第1項(a) 北朝鮮政府又は朝鮮労働党の、米国内にある、以後に米国内に入る、又は現在若しくは以後にいかなる米国人の占有若しくは支配下に入る、すべての財産及び財産に関わる権利は凍結され、移転、支払い、輸出、引き出し、又はその他の関与を行うことを禁止する。



大統領令第13810号(2017年9月20日公布・施行)

第4項(a) 本命令施行日の以前、当日、又は以後に、外国金融機関が下記を行ったと認定することによって、財務長官は国務長官と協議し、外国金融機関に対して本項(b)の制裁を科す権限を付与された。
 (i) 2010年8月30日施行の大統領令第13551号、2015年1月2日施行の大統領令第13687号、2016年3月15日施行の大統領令第13722号又は本命令によって、財産及び財産に関わる権利を凍結された者、又は北朝鮮関連の活動のために大統領令第13382号によって財産及び財産に関わる権利を凍結された者のために、いかなることであれ事情を知りながら重要な取引を行い又は幇助した
 (ii) いかなることであれ事情を知りながら北朝鮮との取引に関わる重要な取引を行い又は幇助した
(b) 本項(a)(i)又は(a)(ii)で定められた基準を満たすとして、本項に従って財務長官が国務長官と協議して認定したすべての外国金融機関について、財務長官は下記を行うことができる。
 (i) 米国内のコルレス口座又は銀行経由支払口座の開設を禁止するとともに、口座維持を禁止し又は厳格な条件を設定する
 (ii) そのような外国金融機関の、米国内にある、以後に米国内の入る、又は現在若しくは以後にいかなる米国人の占有若しくは支配下に入る、すべての財産及び財産に関わる権利を凍結し、当該財産及び財産に関わる権利の移転、支払い、輸出、引き出し、又はその他の関与を禁止する


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具体的にいえば朝鮮総連幹部と職員、また団体としての朝鮮総連は制裁対象ということです。三菱UFJ銀行や三井住友銀行などアメリカに支店がある銀行は、日本国内であっても取引することは許されません。またアメリカに支店がない信用組合等でも事情を知りながら朝鮮総連と「重要な取引」を行えば、制裁対象となり経営破綻する恐れがあります。すべての金融機関は総連幹部の銀行口座を閉鎖する必要があるのです。

金融機関がアメリカ金融制裁に違反するリスクの大きさは想像を絶するレベルです。フランス最大の銀行BNPパリバは2014年に制裁破りで訴追され、89億7000万ドル(約9900億円)を支払うことでアメリカ当局と合意しました。2018年にはフランスの大手銀行ソシエテ・ジェネラルも、キューバ・イラン制裁に違反したとして約13檍4000万ドル(約1500億円)払わされるハメになりました。邦銀でも三菱東京UFJ銀行(当時)が2013年、制裁対象国との取引で適切さを欠いた取引があったとして和解金2檍5000万ドル(約280億円)を支払うことでニューヨーク州当局と合意し、翌2014年に追加で3檍1500万ドル(約350億円)払うことになりました。支払いを拒否すれば銀行業免許を取り消されてグループ全体が経営破綻する恐れがあります。行員の逮捕もありえます。銀行にとってアメリカの法令遵守は絶対なのです。

銀行グループ全体で一貫した態勢を作れと指示する金融庁の「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドライン」は、同じことを何度も繰り返し書いて重要性を強調しています。女性を口説くときこんなやり方をしたら「しつこい男は嫌い!」と怒鳴られてしまいそうです(笑) ガイドラインの27ページからはじまる「グループベースの管理態勢」から引用します。

「グループ全体としてのマネロン・テロ資金供与対策に係る方針・手続・計画等を策定し、グループ全体に整合的な形で」
「グループとして一貫性のある態勢を整備することが必要となる」
「グループベースでの整合的な管理態勢の構築や、傘下事業者等への監視等を実施していく必要がある」
「グループとして一貫したマネロン・テロ資金供与対策に係る方針・手続・計画等を策定し、業務分野や営業地域等を踏まえながら、顧客の受入れに関する方針、顧客管理、記録保存等の具体的な手法等について、グループ全体で整合的な形で、これを実施すること」
「グループ全体として整合的な形でマネロン・テロ資金供与対策を適時・適切に実施するため」
「海外拠点等も含め、我が国金融機関等グループ全体の方針・手続・計画等を整合的な形で適用・実施し」
「当該国・地域の法規制等が我が国よりも厳格である場合に、当該海外拠点等が当該国・地域の法規制等を遵守することは、もとより当然である」

などなど

「グループ全体で一貫した態勢を作れ。アメリカの制裁対象とは日本でも取引するな」という金融庁の指導は、常識で考えても当然のことです。たとえば日本の銀行は暴力団員との取引を禁じられていますが、金融庁の目の届かないカンボジアの支店を通して取引することも当然アウトです。ニューヨーク支店を持つ邦銀が、アメリカで取引すると重大な犯罪となる制裁対象者と日本国内で取引してはいけないのは当たり前の話です。これまで甘すぎたと思います。

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アメリカの制裁で経営破綻したバンコ・デルタ・アジア

対象となる朝鮮総連幹部にとって、銀行口座を持てなくなるのは大変な事態です。普通に社会生活を送れませんし、会社を経営していれば倒産に追い込まれます。銀行口座がなければクレジットカードを作れませんし、携帯電話も契約できませんし、光熱費の引き落としすらできません。前述の通りいま暴力団員は銀行口座を持てませんが、子供の給食費引き落としができなくて困り果てていると報道されています。そうなってはタイヘンと、朝鮮総連からの脱退ラッシュが起きる可能性が出てきました。その過程で過去の拉致事件の情報が出てくるかも知れません(日本当局に情報提供すれば優遇されるでしょうから)。楽しみです。


ここで皆様にお願いがあります。ほんの少しだけお時間をください。せっかく引き出した答弁がキッチリ実行されるよう、安倍総理に直訴していただきたいのです。首相官邸ホームページの「ご意見・ご感想」から、「5月17日に閣議決定された答弁に従って、朝鮮総連幹部の銀行口座閉鎖を徹底的に進めてください」といったメッセージをお送りください。多くの方から要請が寄せられれば、行政指導は厳格さを増すでしょう。
あなた様のメールで制裁を強化してください。それが拉致被害者を救出する一番の近道です。よろしくお願いします。
https://www.kantei.go.jp/jp/iken.html






<松原仁先生の質問>

米国金融制裁の朝鮮総連幹部等への適用に関する質問主意書

アメリカ合衆国(米国)大統領令第一万三千六百八十七号は、北朝鮮政府または朝鮮労働党の当局者または支配下の団体などで、財務長官が国務長官と協議して決定した者の資産を凍結すると定める。同大統領令第一万三千七百二十二号は北朝鮮政府および朝鮮労働党の資産凍結を定める。同大統領令第一万三千八百十号は、対北朝鮮金融制裁の資産凍結対象者のために事情を知りながら重要な取引を行いまたは幇助した外国の金融機関に対して、いわゆるセカンダリーサンクションを科す権限を財務長官に付与した。
報道によれば米国の金融制裁に違反したとして一千億円以上の罰金を科せられた金融機関が複数ある。セカンダリーサンクションの対象になれば経営破綻する金融機関が出ることも予想される。
我が国の金融機関のなかに、北朝鮮政府または朝鮮労働党の当局者に該当する在日本朝鮮人総聯合会(朝鮮総連)の幹部や、「日本と国交を有する諸外国における大使館にも比すべき活動」を行っていると述べる朝鮮総連の傘下団体と取引しているところがある。政府は金融機関に対して米国金融制裁についてどのように指導するか。
右質問する。


<閣議決定された政府答弁>

衆議院議員松原仁君提出米国金融制裁の朝鮮総連幹部等への適用に関する質問に対する答弁書


金融庁においては、同庁作成の「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドライン」に基づき、金融機関による国内外の制裁に係る法規制等の遵守の観点から、金融機関に対して、顧客の氏名等と関係当局による制裁リストとを照合する等の同ガイドラインで明確化された必要な措置の実施を求めることとしている。

http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/198156.htm





Emperor Meiji uniform
言の葉にあまる誠はおのづから
人のおもわにあらはれにけり
(明治天皇御製)