★ 金正恩「血の秘密」が暗殺理由か?

金正男氏が暗殺されました。様々な情報が錯そうしており、真実を見極めるのが難しいですが、北朝鮮による暗殺であることは状況からして間違いありません。

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マレーシアのニュー・ストレーツ・タイムズ紙に掲載された死亡直前の金正男氏


ジャパンタイムズの取材を受けたので、金正恩の外祖父が日本軍協力者で、金正男と違って正統性問題で爆弾を抱えていることが暗殺に繋がったのではないかとコメントしました。15日に記事になっています。
http://www.japantimes.co.jp/news/2017/02/15/national/ties-japan-may-factor-kim-jong-nams-mysterious-murder/


またマカオの新聞に同様のコメントをし、2月17日に大きく取り上げられました。

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私のほうで5年前に、金正恩の母方の祖父・高京澤が戦前に勤務していた大阪の工場が、「陸軍管理工場」である証拠書類を防衛研究所で発見しました。陸軍省の公式文書であり、証拠能力は十分です。これは北朝鮮で、高京澤の一族が日本軍協力者として反逆者扱いになることを意味します。そして憲法より上位の金日成教示「宗派分子や階級の敵は、誰であろうが三代にわたって絶滅させなければならない」(1972年)にしたがって、孫の金正恩は絶滅対象となります。詳しくは、当時書いた解説をご覧ください。

本ブログ2012年5月14日付記事


北朝鮮の価値観で「血の秘密」は決定的弱点であり、北当局は金正恩の母親が在日出身であることすら隠しています。金日成主義で凝り固まった軍部が知れば、金日成教示を忠実に守り、金正恩を「絶滅」させるかも知れないからです。教示に「誰であろうが」の文言が入っていることがポイントです。

証拠書類の発見は、ABC、テレグラフといった有力メディアや、米政府系のRFA、日本の週刊新潮、韓国メディア等で広く報じられましたが、北朝鮮は完全に沈黙を守りました。私が韓国のニュース専門チャンネルYTNや、SBS(ソウル放送)の人気報道番組で解説したときも、なんの反応もありませんでした。

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韓国人気報道番組で解説したとき。日本刀を隠すのを忘れ、写ってしまった! 大失敗(笑)


金正男は金正恩と母親が違うので、兄弟でも「血の秘密」を持ちません。こうした北朝鮮特有の事情が、殺害の背景にあるのではないかと見ています。

いずれにせよ、金正恩の危険性と、体制を崩壊させる必要性が、より一層明らかになりました。父親の金正日でさえ、ライバルの異母弟・金平一を殺害しませんでした。ところが正恩は、金日成の孫・金正日の長男を公然と殺害し、またもや一線を越えました。金正恩体制存続による日本のリスクは、除去のため積極的行動を取るリスクより、遥かに高いものです。

行動しなければ、リスクはどんどん増大します。拉致被害者全員救出も、体制を崩壊させなければ不可能です。先送りをやめ、覚悟を決めるべきです。



★ 北朝鮮工作員の国籍ロンダリング

いま国際社会で、北朝鮮工作員に注目が集まっています。工作員の偽装用旅券問題で結果を出す、千載一遇のチャンスです。パスポートがなければ、工作員は羽をもがれたカラスです。国連を動かし、大切な商売道具を取り上げてやろうではありませんか!

以前から書いていますが、北朝鮮工作員は「国籍ロンダリング」ともいうべきことを行っています。
私のほうで2012年に、北朝鮮工作員がセーシェルおよびキリバスの偽装用旅券を使用していたことを突き止め、国連に報告するとともに、マスコミを通して告発しました。2009年に神奈川県警が摘発したミャンマーへの不正輸出未遂事件で、指示役だった東新国際貿易役員の韓哲(HAN Chol)と朱玉姫(JU Ok Hui)は、2005年11月2日付でキリバスの旅券を取得していました。韓哲の旅券番号はI001843、朱玉姫はI001844です。そして2007年3月26日付で今度はセーシェルの旅券を取得していて、韓哲の旅券番号はN0026276、朱玉姫はN0026273でした。安保理専門家パネル報告書2013年度版は、これらの情報を記載し、各国に注意を促してくれました。またオーストラリア公共放送ABCが取り上げ、キリバス大統領が謝罪する事態になりました。詳しくは以前のブログ記事をご覧ください。
本ブログ2012年9月5日付記事


一昨年ハワイで逮捕された北朝鮮工作員・金ソンイル(KIM Song Il)は、2通の別々のカンボジア旅券を使用していました。旅券番号はそれぞれN0630354とN0755974です。金は2008年9月17日付カンボジア王国勅令で帰化を許可され、カンボジア国籍を取得しています。その数か月前には金ソンチョル(KIM Song Chol)という別の北朝鮮人の男が、金ソヴァン(KIM Sovann)に改名した上でカンボジアに帰化したことが分かっています。そして二人は、新たに得た国籍で香港やカンボジアに会社を設立していました。手元に資料があります。

カンボジア国籍はカネで買えます。カンボジア国籍法第8条は、7年以上居住した外国人は国籍を取得できるとしていますが、第10条から第12条で例外として、一定金額以上の投資や寄付をすればすぐ取得できると定めています。また第13条で、カンボジアに特別の利益をもたらした外国人は即時国籍取得できるとしていて、マラソン選手・猫ひろし氏の帰化はこの条項が適用されたものと思われます。インターネット上には「もう一つ旅券があると便利です」といった宣伝文句で、外国国籍取得のコンサルティング業者が多数広告を出していますが、むろんカンボジア国籍の案内も出ています。

過去に韓国で摘発されたスパイ事件からも、北朝鮮工作員が多数の国籍・旅券を駆使して行う工作の実態が明らかになっています。

1996年にソウルで、壇国大学アラビア語教授で「フィリピン人ムハンマド・カンス」を名乗る男が逮捕されました。韓国で大学教授は社会的地位が高く、その信用を利用して各界の専門家に接近していました。
実はこの男はレッキとした朝鮮民族で、北朝鮮対外情報調査部所属の鄭守一(チョン・スイル)という工作員でした。その後の調べで鄭守一は、1979年にレバノン国籍を取得し、さらに1984年にフィリピン国籍を取得した上で韓国に潜入したことが明らかになりました。

2006年には「フィリピン人ケルトン・ガルシア・オルテガ」を名乗る北朝鮮工作員チョン・ギョンハクが摘発されました。この男は主に東南アジアで活動しながら、1993年にバングラデシュ、1995年にタイ、2000年に中国、そして2004年にフィリピンの国籍を取得しています。韓国には別々のパスポートを使って何度も入国したというのですから、図々しいというかなんというか。

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間違いなく日本にも、外国旅券を持った北朝鮮工作員が潜入しています。定住しているかも知れません。なにしろ金正男がドミニカ旅券で、金正恩がブラジル旅券で東京ディズニーランドに遊びに来たくらいですから、朝鮮総連と接点のないノーマークの工作員が入っていないはずがありません。

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金正男氏が使用していたドミニカ旅券


この者たちを炙り出すためにも、偽装用旅券問題に火をつける必要があります。



★ 国連安保理に直訴だ!

ここで皆様にお願いがあります。ほんの少しだけお時間をください。安保理理事国の国連大使にメールを送り、北朝鮮工作員の偽装用旅券問題を訴えていただきたいのです。例文をコピーするだけなら1分でできます。

例文では北朝鮮工作員の旅券取得状況について説明し、次の安保理決議で各国に警戒を呼び掛ける条項を入れてほしいと要請しました。安保理決議に明記されれば、いい加減に旅券を発給している国は審査を厳格化しますし、過去に発給した旅券を無効化することも期待できます。大したことないように見えて、実はこうした細かいロビー活動が、北朝鮮工作活動への大打撃となるのです。パスポートなしに、海外に渡航できないからです。

それではよろしくお願いします。



送り先(多数に送っていることが分からないよう、宛名に自分のメールアドレスを入れ、BCCに下記をコピーしてください)
press@russiaun.ru, france@franceonu.org, uk@un.int, USUNPolFax@state.gov, missionboliviaun@gmail.com, egypt@un.int, pr.egypt@un.int, ethiopia@un.int, info.italyun@esteri.it, archives.italyun@esteri.it, p-m-j@dn.mofa.go.jp, japan.mission@dn.mofa.go.jp, kazakhstan@un.int, pr.kazakhstan@un.int, senegal.mission@yahoo.fr, sweden@un.int, uno_us@mfa.gov.ua, uruguay@urudeleg.org, uruguay@un.int, urudeleg@mrree.gub.uy


例文
件名: Passports used by North Korean operatives など(タイトルは個々別々のほうがいいので、できれば変更してください)
本文:
Your Excellency,

The assassination of Kim Jong Nam, half-brother of North Korean dictator Kim Jong Un, has sent shockwaves around the world and people are deeply concerned about the activities of North Korean operatives. I am writing to respectfully request that the next Security Council resolution on North Korea calls upon States to exercise enhanced vigilance over North Korea’s use of foreign passports.

Paragraph 132 of the Panel of Experts Report 2013 stated: “The use of foreign passports by nationals of the Democratic People’s Republic of Korea who engage in illicit or suspicious activities also merits attention.” North Korean operatives are continuing to use foreign passports for illicit purposes and resolutions that called for enhanced vigilance over North Korean diplomatic personnel were insufficient to prevent violation of measures imposed by the Security Council.

In 1996, North Korean operative Chung Soo-il, posing as a Lebanese-Filipino professor, was arrested in South Korea. It has been revealed that he obtained Lebanese passport in 1979 and Filipino passport in 1984. In 2006, North Korean operative Jeong Gyeong-hak was arrested in South Korea for spying on potential military targets, including nuclear power plants and US military bases. Jeong had entered South Korea at least three times between 1996 and 1998 using a fake Thai passport. Reports say he also had Bangladeshi, Chinese and Filipino passports.

In 2012, a Japanese researcher discovered that two North Korean operatives who attempted to smuggle missile technology from Japan to Myanmar had Kiribati and Seychellois passports. This was reported by ABC, South China Morning Post and the Panel of Experts Report 2013.
http://www.abc.net.au/news/2012-12-05/an-kiribati-seychelles-accused-of-giving-north-koreans-passports/4409832
http://www.scmp.com/news/hong-kong/article/1020434/north-korean-agents-given-passports-kiribati-and-seychelles

In July 2015, a North Korean operative with genuine Cambodian passport, Kim Song-il, was arrested in Hawaii for attempting to export controlled military goods to China. As the Royal United Services Institute (RUSI) researcher Andrea Berger wrote in NK News, Kim appears to have established Hong Kong and Cambodian subsidiaries of Green Pine Associated Corporation which has been identified for UN sanctions, and he was using two Cambodian passports.
http://www.nknews.org/2015/08/business-or-pleasure-a-n-korean-cambodian-arrested-in-hawaii/

North Korea has been selling nuclear and missile technology to rogue states and terrorist organizations such as Syria, Iran and Hezbollah. In 1987, North Korean operatives using fake Japanese passports placed a bomb on KAL 858 en route to Seoul and killed 115 passengers and crew members. There is an urgent need to prevent North Korean operatives from using foreign passports.

Thank you for your consideration.

Yours truly,
(あなた様のお名前)




★ 『新潮45』は必見!

2月18日に発売された『新潮45』が、素晴らしいスクープを打ちました。タイトルは、「京大原子炉実験所准教授は『拉致実行犯』の娘と結婚していた」

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本ブログでも取り上げた再入国禁止対象者の義父が、田中実さん拉致を実行した「洛東江」という北朝鮮直属の秘密工作機関の親玉だったことを突き止めたものです。

『暗殺国家ロシア』『スターリン家族の肖像』『モンスターマザー』などの著書で知られる実力派ノンフィクション作家・福田ますみさんが、地を這うような徹底した取材で明らかにしました。准教授の研究がいかに危険であるかについての専門家の解説もあります。これは読みごたえのあるルポです!

実は私も、だいぶ以前から取材に協力させていただいています。北朝鮮スパイ組織・科協の構成員を排除する必要性を説いたコメントを引用いただきました。

アマゾンからもご購入いただけます。ぜひどうぞ!



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民草のうへやすかれといのる世に 思はぬことのおこりけるかな
(明治天皇御製)