このたび情報誌「インテリジェンス・レポート」に論文を寄稿しました。

本誌はインテリジェンス・クリエイト社が発行するプロ向け論文集で、内容が濃いと評判です。本屋さんでは手に入らず、直接販売のみになります。ご興味ある方はぜひどうぞ。

http://www1a.biglobe.ne.jp/i-create/


「北朝鮮壊滅の具体策」

脅威レベルは限界を超えた

昨年12月に金正恩が政権後見役だった張成沢を処刑し、新年の演説で「汚物を除去した」と語ったことは、北朝鮮の脅威が一線を越えたことを明確に示した。金正恩は国際情勢を理解しておらず、合理的思考能力に欠け、暴力性向が強く、諫言できる側近を持たず、予測不可能な突発的行動に出る。いっぽう体制存続に核兵器が必要不可欠だと理解しており、外交交渉で廃棄に応じる可能性は皆無だ。北朝鮮が及ぼす危険を除去するには、体制を崩壊させるしかない。また拉致被害者救出は、崩壊寸前の交渉でできるだけ多く解放させ、残りの被害者を崩壊後に救出する以外に現実的方策はない。
時計の針を戻して考えると分かりやすい。昨年秋時点で北朝鮮専門家百人に、張成沢が突如処刑される確率と、北朝鮮特殊部隊が「韓国の過激派」を装い日本で大規模テロを行う確率のどちらが高いか質問したとして、前者のほうが高いと答えた専門家は何人いただろうか? ほとんどいなかったと思う。つまり私たちが大量虐殺される事態より、はるかに発生確率が低いことが現実に起きたのである。
核テロの危険も高まった。テロ組織が巨額の現金を提示した場合、北朝鮮が放射性物質販売を拒絶することは期待できない。北朝鮮は現にイランやシリアに核技術供与を行い、シリアでは原子炉まで作った。世界中で麻薬密売を行う北朝鮮工作員が「日本人の不良科学者」を装うのは簡単で、原子炉建設より発覚確率が低い。放射性物質がテロ組織に渡り、いわゆる「ダーティーボム」による核テロが行われる危険性が現実のものとなった。
北朝鮮の脅威は、明らかに許容レベルを超えている。金王朝存続によるリスクは、崩壊過程で生じるリスクよりはるかに高く、年々増大している。問題先送りは過去そうであったように、北朝鮮に時間稼ぎをさせるだけだ。いまこそ国際社会は徹底した制裁措置によって、体制転換を目指すべきだ。


シンガポールコネクション

著者は金正恩体制を崩壊させるため、外貨資金源潰しなどの活動を行っている。北朝鮮は外貨獲得ルートと中国の支援、そして「白頭の血統」幻想によって体制を存続させているが、一つでも消えれば崩壊する。これらは生命線であり、狙い目だ。現在進行中のプロジェクトを幾つか紹介するとともに、皆様のご協力を仰ぎたい。

(以下具体的に)