★ 芋づる式であぶり出してやれ!

在宅ロビー活動にご参加いただいている皆様、8月にカンボジア旅券を持った北朝鮮工作員がハワイで逮捕されたことを報告し、皆様とともにカンボジア副首相兼外相に「北朝鮮関係者へのパスポート発給記録をすべて開示せよ!」と訴えるロビー活動を行いました。
本ブログ2015年8月20日付記事

残念ながら全く進展がありません。北朝鮮工作員がカンボジア旅券を持って犯罪を行っているというのに、カンボジア政府は放置したままです。これではカンボジア政府は、北朝鮮国家犯罪の共犯と言われても仕方がありません。犯罪者の情報を隠す行為は、積極的にかばっているのと同じです。

もっともカンボジア政府も、どれだけヤバい状況か分かっているようです。カンボジア外務省のマオ・チャンダラ局長は8月に現地メディアの取材に対して、北朝鮮関係者に発給されたパスポートの数は記録がないので分からないとした上で、
「北朝鮮問題はセンシティブだから、注意する必要がある」
と言い、それ以上のコメントを拒否しました。このまま静かにして、嵐が通り過ぎるのを待つつもりなのでしょう。


そうはさせません!
これは私たちにとって大チャンスなのです!

北朝鮮工作員が使用する偽装用パスポートが判明すれば、他国への出入国状況、銀行口座開設状況、電話の通話先、法人設立・役員就任、交友関係、行った取引などが、相当程度明らかになります。本当に宝の山なのです! 資産凍結や、うまくいけば逮捕に結びつくかも知れません。
それに北朝鮮工作員が、カンボジア人を装って日本に入国している可能性があります。国家犯罪を防ぐため、なんとしてでも身元を暴く必要があるのです。
カンボジア政府に情報を開示させ、芋づる式であぶり出してやりましょう!

Cambodia Royal Palace
プノンペンの王宮


ここで皆様にお願いがあります。ほんの少しだけお時間をください。国連安保理の理事国大使にメールを送り、安保理に設置された制裁委員会の権限で、過去に北朝鮮工作員にパスポートを発給したカンボジア、キリバス、セーシェルに全発給記録を開示させるよう求めていただきたいのです。例文をコピーするだけなら1分でできます。


この要請は国際法上の根拠があります。北朝鮮の核実験を受けて2009年に採択された安保理決議1874号の第27項は、
「すべての国、関連する国際連合の関係機関及びその他の関係当事者に対し、特に決議第1718号(2006年)及びこの決議により課された措置の実施に関して保有するいかなる情報も提供することにより、委員会及び専門家パネルと完全に協力することを要請する」
と規定しています。
つまり制裁委員会やその傘下の専門家パネルが、北朝鮮制裁破りの調査のため必要だと判断すれば、カンボジア、キリバス、セーシェルはパスポート発給記録をすべて開示する義務が生じるのです。例文でも触れました。


すでに国連は、報告書でパスポート問題に触れています。2012年に私のほうでキリバス、セーシェルの偽装用パスポート発給を国連に報告しましたが、2013年度の安保理専門家パネル報告書は両国の名前を明記した上で、
「不法または疑わしい活動に従事する北朝鮮人が、外国パスポート(複数形)を使用していることは注目に値する」
としています。


さらに例文では、核実験後の次の安保理決議で、北朝鮮工作員による偽装用パスポート取得に注意を促す文言を入れるよう訴えました。これも十分に実現可能な要請です。

すでに過去の安保理決議で、北朝鮮外交官の行動や、現金の密輸に気をつけろという文言が入っているのです。2013年採択の決議2087号12項では、
「制裁を回避するための大量の現金の使用」
が言及され、同年採択された決議2094号14項でさらに明確に、
「大量の現金の北朝鮮への移転が(中略)課された措置を回避するために使用され得ることに懸念を表明」
しています。また決議2094号24項で、
「北朝鮮外交官が(中略)課された措置の回避に貢献することを防ぐために、当該外交官に対する警戒を強化することを要請する」
と各国に求めています。


認定拉致被害者のうち久米裕さんと原敕晁さんは、パスポートを得るため身分を乗っ取る「背乗り(はいのり)」目的で拉致されました。他にも何百人もの日本人が背乗り目的で拉致されていることは間違いなく、大部分は単純な家出と思われていることでしょう。そして偽造日本パスポートを持った北朝鮮工作員2名が、1987年に大韓航空機を爆破して115人もの罪のない人を殺害しました。


拉致実行犯の辛光洙容疑者(指名手配中)

日本のパスポートを悪用した卑劣な北朝鮮工作員


絶対に許せません! 国連に手を回し、偽装用パスポートを持つ工作員の身元を暴いて、報復してやりましょう!



送り先(多数に送っていることが分からないよう、宛名に自分のメールアドレスを入れ、BCCに下記をコピーしてください)
USUNPolFax@state.gov, uk@un.int, france@franceonu.org, chadmission@gmail.com, permny@nigeriaunmission.org, lithuania@un.int, chile.un@minrel.gov.cl, missionun@jordanmissionun.com, themission@angolaun.org, mwnewyorkun@kln.gov.my, misionvenezuelaonu@gmail.com, nzpmun@gmail.com, Rep.nuevayorkonu@maec.es,


例文
件名: Foreign passports used by North Korean operatives など(タイトルは個々別々のほうがいいので、できれば変えてください)
本文:
Your Excellency,

I am writing to respectfully request that the UN Security Council Sanctions Committee urges the Cambodian, Kiribati and Seychellois governments to provide detailed information on all passports issued to North Koreans or naturalised citizens of North Korean origin in pursuant to paragraph 27 of UNSCR 1874 (2009).

On July, a North Korean operative with genuine Cambodian passport, Kim Song-il, was arrested in Hawaii for attempting to export controlled military goods to China. As the Royal United Services Institute (RUSI) researcher Andrea Berger wrote in NK News, Kim appears to have established Hong Kong and Cambodian subsidiaries of Green Pine Associated Corporation which has been identified for UN sanctions, and he was using two Cambodian passports.
http://www.nknews.org/2015/08/business-or-pleasure-a-n-korean-cambodian-arrested-in-hawaii/

In 2012, a Japanese researcher discovered that two North Korean operatives who attempted to smuggle missile technology from Japan to Myanmar had Kiribati and Seychellois passports. This was reported by ABC, South China Morning Post and the 2013 Panel of Experts Report on North Korea sanctions.
http://www.abc.net.au/news/2012-12-05/an-kiribati-seychelles-accused-of-giving-north-koreans-passports/4409832
http://www.scmp.com/news/hong-kong/article/1020434/north-korean-agents-given-passports-kiribati-and-seychelles

It is almost certain that these three are not the only North Korean operatives who somehow acquired passports from Cambodia, Kiribati and Seychelles. North Korea has been selling nuclear and missile technology to rogue states and terrorist organizations such as Syria, Iran and Hezbollah, and there is an urgent need to identify other operatives.

I would also like to request the Security Council to call upon States, in the next resolution, to exercise enhanced vigilance over North Korea’s pursuit of foreign passport. The international community must not forget that in 1987, North Korean operatives using fake Japanese passports placed a bomb on KAL 858 en route to Seoul and killed 115 passengers and crew members.
http://www.abc.net.au/7.30/content/2013/s3734332.htm

Thank you for your consideration.

Yours truly,
(あなた様のお名前)



★北朝鮮工作員の「国籍ロンダリング」


3年前にキリバス、セーシェルの偽装用旅券を暴いたときも書きましたが、過去に韓国で摘発されたスパイ事件から、北朝鮮工作員が多数の国籍・パスポートを駆使して工作活動を行う実態が明らかになっています。


1996年にソウルで、壇国大学アラビア語教授で「フィリピン人ムハンマド・カンス」を名乗る男が逮捕されました。韓国で大学教授は社会的地位が高く、その信用を利用して各界の専門家に接近していました。
実はこの男はレッキとした朝鮮民族で、北朝鮮対外情報調査部所属の鄭守一(チョン・スイル)という工作員でした。その後の調べで鄭守一は、1979年にレバノン国籍を取得し、さらに1984年にフィリピン国籍を取得した上で韓国に潜入したことが明らかになりました。


2006年には「フィリピン人ケルトン・ガルシア・オルテガ」を名乗る北朝鮮工作員チョン・ギョンハクが摘発されました。この男は主に東南アジアで活動しながら、1993年にバングラデシュ、1995年にタイ、2000年に中国、そして2004年にフィリピンの国籍を取得しています。韓国には別々のパスポートを使って何度も入国したというのですから、図々しいというかなんというか。

間違いなく日本にも、外国パスポートを持った北朝鮮工作員が潜入しています。定住しているかも知れません。なにしろ金正男がドミニカのパスポートで、金正恩がブラジルのパスポートで東京ディズニーランドに遊びに来たくらいですから、朝鮮総連と接点のないノーマークの工作員が入っていないはずがありません。

チョン・ギョンハクが使用したフィリピン旅券


★羽をもがれたカラス

北朝鮮工作員にとって偽装用パスポートは、命の次に大切な商売道具です。スパイ道具というと映画ではピストルですが、実際にはパスポートが一番重要です。北朝鮮パスポートでは入国できる国が限られる上、警戒されて工作どころではないからです。

『金正日の拉致指令』(石高健次著・朝日文庫)に、そんな様子よく分かる一節があります。拉致犯人・辛光洙容疑者の行動記録です。

「(1982年)五月、辛は北朝鮮の自分のパスポートで平壌からモスクワ経由でパリに出、ド・ゴール空港で自分のパスポートを工作員に返納し、ここからは原敕晁名義のパスポートでチューリッヒ(スイス)、アテネ、ニューデリー、バンコク、香港を経由して成田空港から入国している。翌年五月には、成田空港から原敕晁名義のパスポートでチューリッヒ経由ウィーンに出て、ウィーン駅の待合室で北朝鮮のパスポートを受け取り、鉄路ブダペスト(ハンガリー)へ向かい、ここから空路モスクワ経由平壌へ到着している。また、半年後、モスクワ、ブダペスト、ウィーンからチューリッヒ、バンコクと回った後、成田から入国している。
その五カ月後の八四年三月、辛は香港、マカオに二週間滞在し広州で中国入国手続きを取った後、自分のパスポートを受け取り北京経由で帰国した。十月には平壌を発ち、カラチ経由で北京に入り、バンコクから日本へ戻っている」


パスポートがなくなったら、北朝鮮工作員は羽をもがれたカラスです。なんとしてでもカンボジア、キリバス、セーシェル発給の偽装用パスポートをすべて暴き、工作員生命を絶ってやりたいものです。ご協力よろしくお願いします。



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「武器より学問。これからはこれぜよ」(坂本龍馬)
同志の檜垣清治に国際法の書物を示して