在宅ロビー活動にご参加いただいている皆様、ニュースです! 松原仁拉致担当大臣は特定失踪者家族の藤田隆司さんと面会し、藤田さんがジュネーブで国連委員に面会することを公式な啓発活動と認めるか検討することになりました。さっそく読売新聞とTBSが報じています。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120528-OYT1T01084.htm

 

この件は、国連人権理事会傘下の強制的失踪作業部会への申立に関わるものです。
http://mainichi.jp/select/news/20120406k0000m040095000c.html

 


45日にICNK(北朝鮮の人道犯罪を止めるためのNGO連合)のバックアップを受け議員会館で記者会見を行ったあと、藤田さんは兄救出への助力を求める申立書類を国会議事堂ポストに投函しました。このときは投函シーンをTBSが報じてくれたので、ご覧になった方も多いと思います。特定失踪者家族として初めての国連申立であり、何百件もある事案のいわば代表として訴えました。

 

4月5日記者会見の様子(議員会館)


そうしたところ、国連側はたいへんな関心を示しました。送った書類は関連記事翻訳を含めて10ページ以上ですが、すでに相当読み込んだようで、かなり突っ込んだ質問が連絡担当の私のところに来ています。

国連作業部会は年に3回セッション(委員会)を開催し、被害者家族と面会します。次回は7月にジュネーブで行われます。

この時なんとか藤田さんが公式訪問して拉致問題を訴えられないだろうかと、政務秘書官の矢島さんに相談したところ、すぐに大臣面会が実現した次第です。松原大臣と矢島さんに感謝です!

政府認定拉致被害者の家族は、海外で公式な啓発活動を担い、大きな成果をあげてきました。横田早紀江さんがブッシュ大統領に面会したことは、その良い例でしょう。
いっぽう特定失踪者家族は、事実上政府から無視されてきました。


公式なかたちで行かなければ要人に会えませんし、マトモに相手にしてもらえません。日本に来た外国人観光客が「政府要人に会わせてくれ」といきなり官邸を訪ねても、相手にされないのと同じです。政府が背後にいるかどうかが、極めて重要なのです。だから藤田さんの国連訪問が公式であることに、こだわっているのです。

 

横田早紀江さんとブッシュ大統領


藤田さんはこれまで50近い大使館を訪問し、外国政府関係者に拉致問題を説明する経験を積んできました。私は通訳としてすべて同行していますが、藤田さんは常に待ち合わせ場所に一番で来て、どんなに仕事で疲れていても的確・情熱的に説明し、各国外交官を納得させてきました。恐らく日本のどんな外交官よりも、拉致問題をアピールする能力に優れていると思います(なにしろ被害者家族ですし)。この能力を政府が活用しない手はありません

 

ロシア大使と面会したとき(中央藤田さん、その左横田滋さん)


松原大臣には外務省パンフレットに特定失踪者問題が記載されていなかった問題で相談し、実現していただきました。

本ブログ2011年8月5日付記事
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月には特定失踪者問題専従の職員を指名し辞令を交付するなど、たいへん意欲的に取り組んでいただいています。

http://www.cao.go.jp/minister/1201_j_matsubara/kaiken/2012/0417kaiken.html

ぜひ松原大臣には、能力と経験のある拉致被害者家族が国連で訴えるチャンスを生かすべく、認定非認定を越えた政治判断をしていただきたく期待しています。


★なんで認定されないんだ!

藤田隆司さんのお兄さんの藤田進さんは、学芸大学1年生だった昭和5127日に拉致されました。この事件は政府拉致認定3条件の


1.
 北朝鮮の国家意思が推認でき
2.
 行方不明者が北朝鮮に現に存在し
3.
 本人の意思に反して連れ去られた


のすべてを満たしています。


それにも関わらず、政府は拉致被害者として認定していません。以前にも書きましたが、拉致問題を矮小化し、日朝国交正常化を実現させようという勢力が頑強に抵抗しているからです。

本ブログ2012年3月20日付記事

藤田進さん拉致事件で決定的なのは、脱北者によって北朝鮮からもたらされた本人の写真です。

法人類学の第一人者である東京歯科大学の橋本正次教授が鑑定したところ、眉の部分の傷、ホクロの位置、目・鼻・耳等の位置バランスが高校生時代の写真と完全に一致し、本人であるとの結論が出ています。
よく似た顔の人は外国にもいるかも知れませんが、ホクロ・傷の位置から各パーツのバランス(人間の顔は微妙にズレている)まで完全に一致する人はいませんし、作りようがありません。

 

完全一致!


実行犯による証言もあります。週刊現代2007421日号で、拉致に加担した在日朝鮮人の男が、薬を打たれて朦朧となった藤田進さんを監禁したときの様子を生々しく証言しています。一部をご紹介します。

「その日の夜、藤田さんの意識がしっかりしてきました。しかし、現実が受け入れられないのか、ただただ大声で泣き叫んでいました。慟哭という感じでした。
「どこへ連れて行くんだ!」「なんだ、これは!」という叫びが、いまも強く耳に残っています。
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日目、3日目も会話はなく、食事は摂るようになったのですが、藤田さんは身動きが制限される保護服を着たまま、ただじっとしていました。叫ぶこともなくなりました。
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日目になって、「ここはどこですか」「自分はなんでここにいるんですか」と、涙をいっぱいに溜めた脅えきった目で私に聞いてきました。これが、最初で最後の会話です」

 

この事件は、他の拉致事件にも関わり国際指名手配されている大物工作員チェ・スンチョル容疑者が指揮していました。
http://www.npa.go.jp/keibi/gaiji1/wanted/wanted_j.html
在日朝鮮人の男は、藤田進さんを引き取りにいった帰途道に迷い、チェ・スンチョル容疑者にひどく怒られたと証言しています。
なお監禁現場は、平成17年に警視庁公安部が家宅捜索しています。

それから元工作員の安明進氏は、金正日政治軍事大学で藤田進さんを目撃したと証言しています。

 


実は日本当局の無線傍受記録もあります。産経新聞は平成18110日朝刊の一面トップで、藤田進さん拉致直前に現れた北朝鮮工作船の無線交信を解析したところ、横田めぐみさんが拉致されたときの通信と「交信状況が酷似していた」と報じました。
なんだか奥歯にものが挟まったような書き方ですが(情報源保護のため仕方ありません)、簡単に言えば自衛隊か警察が北朝鮮の無線を傍受して、なにが起きていたか把握していたということです。

 


日本の通信傍受(シギント)は、実は非常に高いレベルです。昭和58年の大韓航空機撃墜事件のときは、ソ連戦闘機と地上との交信を完全に把握していました。家族にさえ仕事内容を告げず、陰で黙々と任務に励む人たちがいるのであり、正に武士道精神の世界です。
もちろん通信傍受はどこの国でもトップシークレットです。その存在さえ知られてはならないものです(エシュロンは有名になってしまいましたが・・・)協力者を獲得して行う情報活動よりも、遥かに秘匿性が高いものです。

しかしながら藤田進さん拉致事件は、35年以上前の話です。当時と今では、周波数も交信方法も様変わりしています。北朝鮮に拉致され、助けを待つ人がいる以上、もっと情報が開示されるべきです。
藤田隆司さんが松原大臣に渡した要望書には、情報開示のことも書かれています。拉致された日本人がいて、政府はそれを知っているのですから、隠し通せば別の意図を疑われてしまいます

藤田進さん拉致の証拠は、他にもあります。裁判であれば、陪審員が何人いようが確実に有罪判決が下るような事件です。
一刻も早く拉致被害者と認定されるよう、引き続き努力していきたいと思います。



 

  

藤田進さん事件の英文解説を作りました。外国の方に説明するとき活用ください。

http://ryokuhuuka.wordpress.com/2012/04/15/north-koreas-abduction-of-my-brother-susumu-fujita/