在宅ロビー活動にご参加いただいている皆様、お疲れ様です。
このたびの大震災に心を痛め、意気消沈している方も多いと思います。こんなときは先人の労苦に思いを馳せ、勇気をもらいたいものです。

前回日露戦争における民間志士について書きました。

本ブログ2011年4月5日付記事

今回は、ごく普通の漁師たちが命懸けで国に尽くした事例を書きたいと思います。

ときは日露戦争さなかの明治385月。ロシアのバルチック艦隊が日本に向かっていましたが、どのルートを通るか分からず、日本中が緊張に包まれていました。もし発見できず通過されてしまったら、日本の命運が尽きる可能性が大だったのです!

 

バルチック艦隊


そんなとき、宮古島沖合で漁をしていた青年が偶然バルチック艦隊を目撃します。青年が大急ぎで宮古島に戻って知らせると大騒ぎとなり、「お国の一大事だ!すぐに報告せねば!」ということになりました。
ところが当時の宮古島には通信施設がありません。電信局は100キロ以上離れた石垣島にしかなかったのです。

 

宮古島 砂山ビーチ


島の長老と重役たちは急遽会議を開き、のちに久松五勇士といわれる屈強な漁師5人を選び出し報告書を託します。5人は決死の覚悟を決めるとサバニ(手漕ぎボート)で荒海に漕ぎだし、15時間ぶっ通しで漕ぎ、死ぬ思いで石垣島に到着しました。ところが電信局は、山を越えた島の反対側でした。5人は疲労困憊した体にムチ打って30キロの山道を夜通し走り、午前4時にやっと電信局に辿りつき、報告の電報を打ったのです。

実は久松五勇士の電報が到着したのは、有名な信濃丸の「敵艦見ユ」の数時間後でした。「遅かりし一時間」と戦前の教科書に出ていたそうです。
しかしそうした事実は、5人の勇気と崇高な精神をいささかも減じるものではありません。一旦緩急あれば、身の危険を顧みず、荒海を100キロ以上漕いで報告しようという精神が国民の間に漲っていたからこそ、私たちはロシアの奴隷にならず幸せに暮らしているのです。

五勇士の名は、垣花善、垣花清、與那覇蒲、與那覇松、與那覇蒲(同姓同名)。宮古島には立派な顕彰碑が立っていて、その精神を今に伝えています。

 


久松五勇士顕彰碑(papaterama氏撮影)

 



★北朝鮮の排出権取引を阻止しよう!

さて、私たちの持ち場の北朝鮮問題ですが、また新たな問題が発生しました。現在ドイツのNGOが、北朝鮮に排出権取引で外貨を稼がせようと動いています。北朝鮮を幇助する不埒な外国人がいるのです。

排出権取引は京都議定書で定められたもので、温室効果ガスを排出する権利を割り振っておき、削減目標値を上回って削減できている場合にその余剰分を他国の売却できる仕組みです。

ドイツのハンス・ザイデル財団と北朝鮮は、これに目をつけました。
水力発電所は温室効果ガスを排出しないので、認定を受ければ排出権を他国に売ることができます。北朝鮮の水力発電所を認定させ、排出権を販売して数百万ユーロを獲得しようと企んでいるのです。下記がロイターの日本語記事。

http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPJAPAN-19852120110307

私は、「これ以上の悪用があるだろうか!」と思いました。京都議定書の趣旨にこれほど反するものはありません。
そもそも排出権取引の仕組みは、地球環境を守るためのものです。ところが北朝鮮は核・ミサイル開発に外貨を使うばかりか、積極的に拡散までしています。無法国家やテロリストに北朝鮮製大量破壊兵器が渡り、実際に使用される可能性が高まっているのです。およそ地球環境保護の理念と、これほど対立するものはありません。

 


 

さっそくハンス・ザイデル財団、ドイツ政府、それから審査機関のTUV NORDに、厳しい内容の抗議文を送りつけました。そうしたところ驚いたことに、ハンス・ザイデル財団韓国駐在代表のベルンハルト・セリガー博士からすぐに長文のメールが届きました。しばらくするとドイツ本部のクリスチャン・ヘゲマー理事長からも、同様の内容が封書で送られてきました。
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項目に分けて書かれた弁明には「イランだってやっている」という仰天モノもありましたが、全体の要旨としては「北朝鮮が外貨を稼げるようになれば、ルールを守るようになって国際社会の仲間入りをする。我々はその手助けをしている」というものでした。
溜息が出ました。

北朝鮮が外貨を得るとマトモになるかどうかについては、すでに結論が出ています。韓国は太陽政策で数千億円つぎ込んでいるのです。
1990
年代初頭ならともかく、結論が出た現在も北朝鮮外貨獲得を幇助する者は、国家犯罪の共犯者です。このような無責任な行為は、拉致問題解決を遅らせ被害者家族を苦しめ、核廃棄を妨害して実際に使われる可能性を高める重大な犯罪です。
セリガー博士には厳しく注意する返答を出しておきました。

いっぽう、水力発電所を認定するかどうか審査するTUV NORDからは、「あなた様の苦情を正式に登録させていただきました。弊社手順に従って調査し、返答いたします」という書状をいただきました。エリック・クルップ担当副部長の署名入りです。さすがに国連から委託されている審査機関だけあって、広い視野から判断するようです。期待したいものです。

 

北朝鮮国章に描かれた立派なダムと水力発電所

日本が戦前作ったもの

 

★訴えよう!

ここであなた様にお願いがあります。ほんの少しだけお時間をいただけないでしょうか?
TUV NORD
にメールやファックスを送って、北朝鮮の排出権取引を認定しないよう要請していただきたいのです。
地球環境を守るための排出権取引が、核開発を進める北朝鮮に利用されることなど絶対にあってはならないことです!
苦情として登録される件数が多ければ多いほど、阻止できる確率が高まります。ご協力よろしくお願いします。


送り先
TUV NORD CERT GmbH
メールアドレス:
info.tncert@tuev-nord.de
ファックス番号: 49-201-825-2517 KDDIの場合、ファックス番号の前に001-010とダイヤルするだけですぐ繋がる)

例文

Dear Sir/Madam,

I am writing to strongly and respectfully urge that TUV NORD rejects request from
North Korea to qualify its hydro-power projects for carbon credits.
http://www.guardian.co.uk/world/2011/mar/07/north-korea-trade-carbon-credits
North Korea is under UN sanctions for nuclear and missile programs and an UN-backed carbon credit scheme must not be used as a tool to circumvent sanctions.
Thank you for your cooperation in advance.

Yours sincerely,
(あなた様のお名前)


それではみんなで力を合わせて、北朝鮮の目論見を粉々に打ち砕きましょう!