★EUが強硬制裁!

金正日秘密口座凍結プロジェクトにご参加いただいている皆様、新年早々良いニュースです! EUが動きました!

もうご存知の方も多いと思いますが、1222日に改正EU規則(Council Regulation 1283/2009)が採択され、北朝鮮ナンバー2の張成沢(チャン・ソンテク)、人民武力部長・金永春(キム・ヨンチュン)、外貨獲得機関39号室室長・金東雲(キム・ドンウン)らの資産は発見次第ただちに凍結されることになりました。この内容は国連制裁よりはるかに強力なものです。

 

張成沢

EU規則(Council Regulation)とはEC条約249条で定められたもので、採択されると全27加盟国に直接適用され、法として施行されます。加盟国国会の承認もいらないし、加盟国の法律より優先されます。つまり加盟国ルクセンブルクの法律が銀行機密保護を定めていても、EU規則が採択されたので機密保護対象外となり、銀行に通報・凍結義務が生じるのです。今回の凍結リストに金正日の名は掲載されていませんが、最高幹部が名を連ねた以上、金正日自身の資産についても当然にマネーロンダリング通報の対象と判断されます。

私たち日本の草莽が、手紙と熱情だけを武器に国際政治を動かしてやろうというこの途方もない挑戦は、着実に北朝鮮を追い込んでいるのです!


★欧州委員会総局長から書簡が届く!

今回遠く離れたヨーロッパでこれほど強硬な制裁が実現した背景には、私たちが一生懸命送ったメール、ファックス、手紙も影響しています。

実は改正EU規則採択前の1211日付で、欧州委員会対外総局のヴァレ・デ・アルメイダ総局長から書簡をいただきました。内容は驚くほど前向きなもので、改正EU規則が採択前の最終段階にきていることを明らかにし、施行されたら強力な対北朝鮮制裁が「ルクセンブルクを含めた全EU加盟国の全法人に、完全かつ直接的に適用される」と明確に述べています。

そして書簡のコピーと、私が送った要請文のコピーを、駐EUルクセンブルク大使に送ったことを明らかにしています。これは私たちの訴えに理解を示すと同時に、ルクセンブルクに対する「ちゃんとやれ!」というメッセージなのです。欧州委員会は私たちの訴えに全面的に賛同してくれています。

それもそうだと思います。ルクセンブルクは銀行機密保護と利子課税ゼロ政策で脱税マネーを呼び寄せているとEU域内で問題になり、個人の利子課税についてやっと数年前に妥協が成立したばかりです。しかし信託(トラスト)などの法人は適用外のうえ、預金者の身元はいまだ銀行機密の厚い壁に守られています。その銀行機密保護が独裁者のマネーロンダリングに悪用されている疑惑があれば、欧州委員会が厳しい姿勢を見せるのも当然です。


★ルクセンブルクは逃げる気か!

改正EU規則採択の翌日、ルクセンブルクは一応監督下の金融機関に通達を出しました。英語版が下記です。

http://www.cssf.lu/uploads/media/cssf09_430eng.pdf
しかしそれにしても何という薄さ! たったの2ページです。制裁対象の名前は一つも書いてありません。

比較のためイギリス財務省が出した下記通達をご覧ください。

http://www.hm-treasury.gov.uk/d/fin_sanctions_nkorea301209.pdf
ロンドンのシティに北朝鮮の秘密口座がないことは明らかですが、それでも7ページにわたるブラックリスト付の通達を出しているのです。しかも下記のように、「参照せよ」と当該規則を財務省ホームページに掲載しているのです。無意味と知りつつこれだけやるほど、金正日のマネーロンダリングは重大な犯罪なのです。
http://www.hm-treasury.gov.uk/d/council_regulation_ec_1283_221209.pdf
ルクセンブルクは意図的にチャチな通達を出したと疑われても仕方がありません。少なくとも受け取った金融機関側は、「当局は本気じゃないな」と判断します。

タックスヘイブンは特殊な世界で、機密保護を売りにグレーなカネを集めないと競争に敗れるという本音と、「クリーンな国際金融センター」という建前が共存しています。そして建前が維持できるギリギリの線まで、怪しいカネには目を瞑るというのが本当のところです。もちろんブラックな犯罪収益はお断りですが、それを厳しく言い過ぎて銀行機密保護が緩んだ印象を与えると兆円単位の資金が流出するので、最優先課題は「口が堅い」という評価を守ることなのです。

そうした本音と建前は監督を受ける銀行側もよく理解しており、当局と利害が一致しています。タックスヘイブンにおいては、「いますぐ北朝鮮関係の記録を全部提出しろ! 今度は本気だぞ! あとでバレたら免許取消だからな!」くらいの通達を出さなければ銀行は調査しないのです。

(銀行機密については、昨年820日に解説させていただきました)

本ブログ2009年8月20日付記事


★ルクセンブルク当局に重大さを知らせよう!

私のもとには1221日付で、ルクセンブルク政府のジャン・ル・シウェック1等顧問官からユンケル首相の代理として書簡が届いています。内容は簡単にいえば、「マネーロンダリング対策の法律はちゃんとありますよ」といったところです。残念ながら、実際の施行・取締に向けた熱意は全く感じられませんでした。
昨年10
5日にご紹介した、スイス外務大臣およびマネロン取締責任者から届いた書簡とは天と地ほどの違いです。

本ブログ2009年10月5日付記事

 

シウェック1等顧問官には再び要請文を送り、「金正日のカネを隠している銀行は大量飢餓殺人の共犯であり、これは人道に対する罪を構成する」「あとで判明したら第二次世界大戦後のナチ協力者同様の厳しい結果が待っている」と非常に厳しい表現で徹底調査を求めました。
昨年数ヶ月かけて世界各国の議員に800通の航空便と2000件のメールを送ってルクセンブルクに圧力をかけるよう要請しましたが、だんだん後になって表現が厳しくなっていきました。

ここであなた様にお願いがあります。極寒の地で助けを待つ同胞を救うため、少しだけお時間をください。駐日ルクセンブルク大使に手紙やファックスやメールを送って、改正EU規則で義務化された北朝鮮制裁を徹底的に実行するように求めていただきたいのです。銀行が通報してくるのを座して待つのでなく、過去15年間の北朝鮮関連取引を全て報告するよう強く命令すべき、と日本語で迫ってください。駐日大使館なら日本語で大丈夫です。

102-0081
東京都千代田区四番町8-9
ルクセンブルクハウス1F
駐日ルクセンブルク大公国特命全権大使
ポール・シュタインメッツ閣下
TEL: 03-3265-9621
FAX: 03-3265-9624
メール:
http://www.luxembourg.or.jp/req/index.html


本国政府へもメールをお願いします。

件名: Money Laundering in Luxembourg
本文: Dear Prime Minister Juncker,
We urge the Luxembourg government to aggressively apply
the Council Regulation (EU) No 1283/2009 of 22 December 2009 by ordering all financial institutions to report all financial transactions relating to North Korea in the past 15 years.

Yours sincerely,
あなた様のお名前

ルクセンブルク政府コンタクトフォームはこちら
http://www.gouvernement.lu/functions/contact/index.php
Nomはファーストネーム、Prénomは姓、Paysは国)


金正日の4000億円といわれる秘密資産が凍結されたとき、歴史が動きます。彼は国民を数百万人餓死させても何とも思わない男ですが、自分の虎の子を押さえられたら降参するしかありません。いまの状況だと、そのカネがないと権力を維持できないからです。放っておいたらクーデターで殺されかねません。
金正日に、「ボクのお金返して! 拉致被害者も日本人妻も全員返すし、核もやめるから」とお願いさせようではありませんか!

皆様、凍結までもう一歩です。ほんの3分だけ時間を割いてください。よろしくお願いします。


★在宅ロビー活動は北朝鮮に効く!

さて、日本の草莽が外国政府や議員に手紙、ファックス、メールで訴えていく「在宅ロビー活動」は本当に効果あるのだろうかと、疑問に思う方もおられると思います。

結論からいえば、テーマ次第です。
例えばアメリカの医療保険問題で日本人が一生懸命訴えても、ほとんど効果ないと思います。アメリカの議員事務所はその問題で何千人もの有権者から働きかけを受けていますし、そもそも日本人は有権者でないからです(それでも信ずるところがあれば訴えるべきだと私は思いますが)
しかし北朝鮮問題は違います。効果があります。なぜなら、欧米は北朝鮮にさほど関心を持っておらず、決定的に知識が不足しているからです。遠い東(Far East)の何だかよく分からない問題なのです。欧米で暮らしたことがある方なら、日本と韓国の違いが分からない人が大勢いることをご存知だと思います。

そうした知られていないテーマでは、少数の在郷ロビイストが国際政治に大きな影響を与えられる可能性があります。例えば一説によると、38度線はアメリカの若い将校2人が19458月に呼ばれて分割方法を聞かれたとき、地図が手元になかったので「そんじゃあ北緯38度の線にしたらどうですか」とテキトーに答えて決まったといいます。もしその場にあなた様が居合わせて、地図や今後の見通しをもとに違う線を提言したら、「じゃあ、やっぱりそれにするよ。ありがとう」となっていたかも知れません。

重要な決定はすべて十分な検討の上なされているとは限りません。決定権者の気まぐれや知識不足から、大勢の人の運命を暗転させる決定がなされることもあります。例えば武道通信かわら版720日号で、イギリス外務省が失礼ながら基礎的な知識不足によるとしか思えない幼稚な北朝鮮認識を持っていることを報告させていただきました。

http://archive.mag2.com/0000036568/20090720072000000.html
もしイギリスがその幼稚な認識をもとに金正日政権支援を行なえば、私たちの同胞は生きて日本に帰れないのです。それどころか北朝鮮の大量破壊兵器拡散によって、ロンドンでテロが起きて何万人も犠牲になる可能性すらあるのです。

北朝鮮問題は、欧米で正しい知識が普及していない分野の最たるものです。あなた様の1通のメールが決定権者の目を開かせ、国際情勢を一変させることがありえるのです。

さあ、いますぐメールを出してください。あなたの助けを待つ人がいます。