このたび情報誌『インテリジェンス・レポート』に寄稿しました。冒頭部分のみご紹介します。

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「北朝鮮体制崩壊を目指した制裁を」


この原稿を書いている時点で、北朝鮮の再調査状況報告は出ていないが、受け入れられない結果ということは分かっている。
拉致問題関係者は被害者全員救出に関して一切妥協するつもりはなく、金賢姫元死刑囚の日本語教師だった田口八重子さんを含め、一人残らず取り返すと決意している。また多くの関係者は、日本人妻殺害犯に厳罰を科すことを求めている。しかし北朝鮮が要求を呑むことはありえないので、私たちが納得することはないし、また納得してはならないのだ。
あまり知られていない日本人妻の虐殺は、脱北者の安明哲氏が2007年に時事通信とのインタビューで証言した。安氏が政治犯収容所の警備隊員として勤務していた1993年頃、所内の拷問施設で「日本に帰りたい」と発言した日本人女性が後ろ手を縛られ、両足膝裏に角材を挟まれた形で前かがみに座らされ、棒でメッタ打ちにされ殺されるのを目撃したという。
また2010年5月12日付『産経新聞』によれば、15号管理所(収容所)元収容者の姜哲煥氏は「約20人の日本人妻を知っているが、生き残ったのは3、4人。日本との環境の落差と栄養失調から収容者の中でも日本人妻の死亡率は非常に高かった」と証言した。姜氏が知る日本人妻のひとりは、栄養状態の悪さから歯が欠け、足腰を壊し、食べるものがなくドングリばかり食べていたため口の中が真っ黒に変色していたという。その女性は日本の父親から膨大な財産を相続したが、大半を北朝鮮当局に没収されてしまった。また「日本に帰らせてほしい」と嘆願運動をしたため収容された日本人妻もいて、姜氏は「彼女は運動の末端だったため、収容されたが、呼びかけた人たちは処刑されたと聞いている」と述べている。
日本人に対する拉致も殺人も、絶対に許せない。しかし拉致被害者「全員」救出も、刑事責任追及も、さらに核・ミサイル問題の解決も、体制を崩壊させない限り実現不可能である。金王朝が存続する限り、北側がエサとして出す譲歩に一喜一憂する情けない状態が続く。問題の根本解決のためには、体制転覆を目指した制裁が必要である。
本稿では、まず日本が独自制裁として行うべき送金禁止措置について述べたい。次に北朝鮮を国際金融システムから締め出す方策として、送金中継業務を行う銀行のマネーロンダリング(マネロン)対策強化について解説する。最後に、北朝鮮に莫大な外貨をもたらしかねないオーストラリア資本の鉱山開発計画と、壊滅に向けた著者の活動を紹介したい。

(以下具体的に)