★幸先いいぞ! 政府系放送局が報じる!
在宅ロビー活動にご参加いただいている皆様、朗報です! 先週私のほうで、強制労働で採掘された北朝鮮産「血塗られた鉱物(blood minerals)」の禁輸を実現しようと、人権侵害を調査している国連調査委員会に要請文を送りましたが、さっそくアメリカ政府系の自由アジア放送(RFA)が報じてくれました。
http://www.rfa.org/korean/in_focus/human_rights_defector/mineimport-11152013132940.html
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よく似たブラッド・ダイヤモンド(血塗られたダイヤモンド)については、レオナルド・ディカプリオ主演映画のタイトルにもなったので、ご存じの方も多いと思います。
http://wwws.warnerbros.co.jp/blooddiamond/main_site/
正式には紛争ダイヤモンド(conflict diamond)といい、シエラレオネなどの内戦地域で産出され、武器購入資金となるダイヤモンドをいいます。ブラッド・ダイヤモンドの取引は紛争を激化させるばかりか、採掘現場における凄まじい人権侵害を生み出していたので、これまで国連安全保障理事会決議第1173号(1998年採択)や1176(1998)、1295(2000)、1306(2000)、1385(2002)、1643(2005)で輸入が禁止されています。
「血塗られた鉱物(ブラッド・ミネラルズ)」はその鉱物資源版です。北朝鮮の鉱山では過酷な強制労働が行われ、売却益は核・ミサイル開発資金となり私たちの生命を脅かしています。本来なら2006年に採択された安保理決議1718号で禁輸対象になるべきでしたが、残念ながら現在も見過ごされています。北朝鮮は今も石炭・鉄鉱石・マグネサイト等を中国やEUに輸出し、外貨収入を得ています。
そこで私のほうで、来年最終報告書を提出する国連調査委員会に「強制労働で採掘される鉱物の全面禁輸を勧告してください!」とお願いする要請文を送ったのです。国連調査委員会に制裁発動の権限はありませんが、報告書の「勧告」によって大きな影響力を発揮できます。報告書で「血塗られた鉱物」の禁輸を勧告すれば、前例もあることだし、次の国連安保理決議で禁輸対象に指定される可能性が高いのです。
実は内情に通じた関係者様が「いけるんじゃないか」という感触を示されています。北朝鮮による鉱物資源の輸出を止めれば、決定的打撃を与えることができます。なんとしてでも実現させましょう!
北朝鮮の血塗られた資金源・マグネサイト
(画像:ディディアー・デスコーエンズ)
★なんたる卑劣さ! 子供の強制労働!
北朝鮮の鉱山で強制労働が広く行われていることは、よく知られています。例えば下記は自由アジア放送(RFA)英語版記事ですが、金正日の前で演じたこともある人気お笑い芸人リ・チュンホンさんが「口を滑らせた」として公演現場で逮捕され、炭鉱送りになった事件を報じています。家族に別れを告げる間もなく炭鉱に引っぱって行かれ、娘の結婚式に出席することが出来なくなったそうです。
http://www.rfa.org/english/news/korea/comedienne-08052013154407.html
リさんはまだ生きて帰ってくる可能性がありますが、絶対に生きて出られないのが完全統制区域に収容されている政治犯です。食事も満足に与えられず一日14時間強制労働させられ、殴られ蹴られ、女性は看守にレイプされ、ゆっくり苦しみながら死んでいきます。
完全統制区域の収容所で特に衝撃的なのは、強制労働用の子供が作られ、死ぬまで徹底的に搾取されている現実です。10月23日にブッシュ元大統領と面会した申東赫(シン・ドンヒョク)さんは、完全統制区域で生まれ育ち脱出に成功した脱北者で、その証言から実像が明らかになっています。
http://www.rfa.org/english/news/korea/meets-10252013171127.html
申さんは模範囚の男女が、特典として5日間だけ一緒に生活する制度で生まれた子です。完全統制区域は一生絶対に出られないので、労働力として死ぬまでコキ使うためだけの人間です。ローマ時代の奴隷は解放される可能性がありましたが、完全統制区域の囚人は可能性がないので、牛や馬と同じです。もっとも牛や馬と違い、ひどい虐待を受けます。申さんもミシンを落としただけで、罰として中指を切断されています。他にも凄まじい暴行や拷問を受けています。
申さんはわずか10歳のときから炭鉱の強制労働に駆り出されています。以下は彼の著書『収容所で生まれた僕は愛を知らない』(KKベストセラーズ)からの引用です。
「中学校一年生のときだった。1993年6月の中旬、私たちのクラスは炭鉱支援に出かけた。私たちが10~11歳のときだ。
私たちは炭鉱に直接入らなければならなかった。斜坑(傾いた坑道)に沿って降りていき、5片道まで降りた。2500メートルの深さだ。
片道とは、斜坑の500メートルおきに一つずつある水平の坑道で、そこで石炭を掘る。上から順番に1片道、2片道、3片道、4片道、5片道となっている。
私たちは水平坑道に沿って、終点(5片道の最後の端)まで入って行かなければならなかった。終点の深さは約八キロだが、入って行くだけでも胸やけがして、息が上がり始めた。持って行ったカンテラの火は、空気不足で何度も消えた。終点に到着するとまともに呼吸ができなかった。
私たちの仕事は大人が掘り出した石炭をトロッコ(石炭を積んで運ぶ二トン車)に積んで5片道の停車場、石炭を積んで出たトロッコを外に引き上げるために集めておく場所まで押していくことだった。
6人でトロッコを一台ずつ押すが、私の組は女三人と男三人で構成されていた。石炭がトロッコにいっぱいになると、押して運んでいく。大人でも辛くて危ない仕事を、幼い私たちがしなければならなかった」
申さんへのインタビューを元にアメリカのジャーナリスト、ブレイン・ハーデン氏が著した『14号管理所からの脱出』(Escape from Camp 14)には、申さんと一緒にトロッコを押していた10歳の女の子が足をひかれてケガをしたところ、麻酔もなしに足の指を切断されてしまった話が出ています。代金を払って購入した牛や馬と違い、収容所の子供はマトモな治療も受けられないのです。
この記述は国連調査委員会への要請文に引用しました。
このような人として絶対に許せない人道犯罪によって、北朝鮮の鉱物は採掘されています。知らんぷりして輸入していいかどうか、誰の目にも明らかです。国際社会に訴え、止めようではありませんか!
★国連安保理に直訴だ!
ここで皆様にお願いがあります。ほんの少しだけお時間をください。国連安保理理事国の国連大使にメールを送って、北朝鮮産「血塗られた鉱物」の禁輸を訴えていただきたいのです。
新たな対北朝鮮安保理決議は次の核実験の後ですが、制裁を強化するためには事前のロビー活動が重要です。早い段階から具体案をアピールしていく必要があります。
実際しつこくメールを送ったのが功を奏したのか、本年はじめに採択された決議で私たちが訴えてきた検査拒否の密輸船への対策や、船名や船籍を変える密輸船の洗い出し策が盛り込まれました。そして北朝鮮の外貨獲得が困難になったことで、拉致問題解決に必要な圧力が強まりました。
送り先のメールアドレスは、来年から理事国になる国や新たに判明したものを含めたので増えました。それでは皆様、よろしくお願いいたします。
送り先(宛先を自分にして、BCCに下記をコピーしてください)
uk@un.int, france@franceonu.org, enaun@mrecic.gov.ar, azerbaijan@un.int, australia@un.int, newyork.rp@mae.etat.lu, korea@un.int, info@morocco-un.org, ergasana@minaffet.gov.rw, pakistan@un.int, guatemala@un.int, lithuania@un.int,
例文
件名: Blood minerals produced by child slaves
本文:
Your Excellency,
I am writing to respectfully request the UN Security Council to explicitly prohibit the import of blood minerals from North Korea. Companies owned by the North Korean military, such as Sungri Trading Corporation, are exporting blood minerals to China and the EU and funding their nuclear and missile programmes in violation of paragraph 11 of UNSCR 2094.
http://www.dw.de/activist-wants-north-korea-exports-termed-blood-minerals/a-17239346
There are many reports, including the US State Department 2012 Human Rights Report and World Report 2013 of Human Rights Watch, that say political prisoners in North Korea are subject to forced labor in mining under extremely harsh conditions.
http://www.state.gov/documents/organization/204420.pdf
http://www.hrw.org/world-report/2013/country-chapters/north-korea
The sickening cruelty of North Korea’s mining industry is that children who were born in political prison camps as virtual slaves are forced to work from the age of ten. A biography of defector Shin Dong Hyuk states: “Shin entered his first coal mine at the age of ten. He and five of his classmates (three boys and three girls, including his neighbor Moon Sung Sim) walked down a steep shaft to the face of the mine. Their job was to load coal into two-ton ore cars and push them uphill on a narrow rail track to a staging area. To meet their daily quota, they had to get four cars up the hill. ... Shin and two other boys lifted Moon into an empty coal car and pushed it to the top of the mine. Then they carried her to the camp hospital, where her mangled toe was amputated without anesthetics and treated with salt water.”
http://www.rfa.org/english/news/korea/meets-10252013171127.html
UNSCRs 1173 (1998), 1176 (1998), 1295 (2000), 1306 (2000), 1385 (2002) and 1643 (2005) prohibited the import of conflict diamonds, not only in consideration of security issues but also humanitarian concerns, and I sincerely hope that the Security Council would be able to prohibit the import of North Korea’s blood minerals.
Thank you for your consideration.
Very truly yours,
(あなた様のお名前)
国連安保理議場
★脱北者が対北人道支援反対を訴える!
10月末にワシントンで開かれた国連調査委員会の公聴会で、脱北者の女性ジョ・ジンヘさんが北朝鮮への人道支援に強く反対する訴えを行いました。
http://online.wsj.com/news/articles/SB20001424052702304527504579172030037107074
証言が終わりに近づいたとき、ジョさんは最後に重要なことを述べたいと申し出ました。そして、
「世界の人々は北朝鮮の食糧不足や他の欠乏を聞くと、助ける方法を見つけたいと考えます。これは普通の反応です。しかし北朝鮮は普通の国ではありません。人道支援は誤りです。そうすることで北朝鮮の人々でなく、支配者の懐を暖めるだけなのです」
と述べました。彼女の勇気に敬意を表したいと思います。
ジョさんは二人の弟を飢餓で亡くしています。一人は幼児で、自分の腕の中で衰弱しながら死んでいったと述べています。姉は中国に渡って食糧を確保しようとして、人身売買の犠牲になりました。父は同じく食糧確保のため中国に渡ったため逮捕され、収容所で虐待され殺されています。
http://www.rfa.org/english/news/korea/hearings-10302013200028.html
飢餓の恐ろしさを誰よりも知る彼女が、「食糧を止めて人々を殺す気か!」という見当違いの非難を覚悟の上、あえて発言した意味は大きいと思います。
自由アジア放送(RFA)の別の記事によれば、国連等が支援した医薬品が党や軍関係者に横領され、一般の人が買えない値段で売られているとのことです。
http://www.rfa.org/english/news/korea/medicine-11042013174758.html
秘密裡に医薬品支援を行っている宗教団体は、表のルートの支援は「北朝鮮の体制支援になる」と明言しています。
こういうことに使うカネは何千億円もある金持ち政権
それとは別に海外隠し財産が数千億円!
私は北朝鮮の食糧不足は政策によって作られたものなので、政策を変えない限りなくならないと思います。逆に北は核・ミサイル開発や金一族の浪費に使うカネは何千億円もあるわけで、その一部を回させればすぐに解決します。
具体的には「金正恩よ、恥を知れ! 国民を飢えさせてなにがスキー場だ!」と全世界のメディアが叩けば、カネが国民に回り、本当の支援を行えます。北が外国メディアに敏感に反応するのはよく知られている通りで、無数の実例があります。食糧支援したいと思う人は、欧米の一流紙に意見広告を打つべきだと思います。
安易な支援はジョさんが言うとおり体制を強化し、拉致問題解決を妨げます。横領された支援物資(9割以上盗まれる)は核ミサイル開発を助け、私たちの生命を脅かします。また北朝鮮に「飢えた国民を見せれば食糧をもらえる」と覚えさせ、意図的に飢餓を作り出させてしまい、大勢の人を殺す結果を生みます。
人道支援をどうするかというのは北朝鮮問題の最重要論点の一つですが、現実的な判断が求められています。
国のため民のためにとおもふこと 夢のうちにもえこそ忘れぬ
(明治天皇御製)