加藤健の「天を回せ! ロビー活動で挑む」

一般国民が国際政治を動かすための具体的方法論

在宅ロビー活動が効果を発揮したこの一年!

★今年の成果

在宅ロビー活動にご参加いただいている皆様、一年間お疲れ様でした。今年も残りわずかとなりました。振り返ってみると、皆様とともに多くの成果を挙げることができました。厚く御礼申し上げます。

まず2月に、関係者のお力添えで外国特派員協会の記者会見で話す機会を得ました。各国メディアの前で、ルクセンブルクが金正日秘密資金を捜査すべきと訴えたところ、アメリカの国営放送局VOAが全世界に報じてくれました。

本ブログ2010年2月20日付記事
同じく2月に、イギリス貴族院議員のアルトン卿にお願いしたところ、本議会で北朝鮮マネーロンダリング問題の質疑が実現しました。

 

イギリス議会

 

質疑が行われた貴族院議場


3
月には、イギリスの一流紙デイリー・テレグラフが「金正日がルクセンブルクに逃亡資金40億ドル(約3400億円)を隠している!」と報じました。
http://sankei.jp.msn.com/world/korea/100315/kor1003152252002-n1.htm
原文をご覧いただくと分かるとおり、半分くらいが私のコメントで占められています。

http://www.telegraph.co.uk/news/worldnews/asia/northkorea/7442188/Kim-Jong-il-keeps-4bn-emergency-fund-in-European-banks.html
この記事によって「金正日の40億ドル」が広く認識され、各国が北朝鮮に関わる意思決定を行う際の前提となりました。

本ブログ2010年3月20日付記事

そして4月にはアメリカの自由アジア放送(RFA)が、上記40億ドル逃亡資金の話を北朝鮮向けにラジオ放送してくれました。デノミで全財産を奪われ、飢え迫るなか、北朝鮮国民はどんな思いでこの放送を聞いたことでしょう。

http://www.rfa.org/korean/weekly_program/rfa_interview/kato_ken-04052010112827.html
本ブログ2010年4月20日付記事


5
月、6月には、イスラエルの有力国会議員やユダヤ人団体幹部から好意的な返答をいただきました。北朝鮮はイスラエルの脅威であるという訴えに賛同いただき、私たちの運動との連携を表明いただきました。国際政治に詳しい方なら、それがアメリカの外交政策にどれほど影響を及ぼすかお分かりだと思います。

本ブログ2010年6月20日付記事

 

1948年5月14日のイスラエル建国宣言

この数分後にアメリカのトルーマン大統領が承認

実はユダヤ人団体がトルーマン大統領の旧友(ユダヤ人)を探しあて、説得させた

 


7
月以降については、1020日の呼びかけに書かせていただいた通りです。

本ブログ2010年10月20日付記事
そして12月になって、ラトビアで北朝鮮秘密口座の捜査が開始されたのです。

そのほか各国議員に多数の質問主意書を提出していただいたほか、大臣や高官から数多くの公式回答が届いています。


★ぜひ宣伝を!

こうして見ると、「メールとファックスで国際政治を動かす」という私たちの途方もない挑戦が、確実に効果を発揮していることが分かります。

実はこの事実を広めることこそ、在宅ロビー活動普及のカギだと私は考えています。「効果がある」という確信を持てなければ、貴重な時間を割いてくださる方は限られます。効果があると思うからこそ、仕事が終わって疲れているとき外国にメールやファックスを送れるのです。

もし私たちの在宅ロビー活動が何万人もの参加者を獲得すれば、日本を守る巨大な力となります。北朝鮮や中国の非道が全世界の有力者に知られ、当然のことのように封じ込め政策がとられます。もう「遠い極東のなんだかよく分からない問題」でなくなるのです。全世界の関与を引き出せば、拉致問題も核問題も解決できます。

ぜひ、在宅ロビー活動が「効果がある」という事実を、口伝えで広めていただけると幸いです。実例を交えて話せば、愛国心ある方ならきっと興味を示すと思います。外国に訴えると同時に、共に訴える仲間も獲得していきましょう。

無法国家に囲まれた我が国が生き残るには、「ジャパン・ロビー」が必要不可欠です!


★シンガポールの対応に怒り!

残念ながら今年、やり残した仕事があります。
前回お伝えさせていただきましたが、シンガポール政府は国連決議に基づく私たちの訴えに、実に不誠実な回答をしてきました。誠に遺憾です。

本ブログ2010年12月5日付記事

私はあれから数度、シンガポール政府高官・国会議員180人にメールを送り、あらためて北朝鮮密輸を取り締まるべしと訴えました。何の反応もありません。
やむを得ずこれから、イスラエルの全国会議員を含む各国高官・議員に、シンガポールに圧力をかけるよう訴えます。

先月北朝鮮は、ウラン濃縮を自ら認めました。その理由について様々な解釈がありますが、私は「テロリストに高濃縮ウラン(HEU)を売ってもいいんだぞ」という脅迫の意味合いが強いと思います。すでに2005年の時点で、金桂寛第1外務次官はアメリカの核専門家セリグ・ハリソン氏に「アメリカは、我々がテロリストに核兵器を渡すことができ、その能力も有している危険性を考慮すべきだ」と脅迫の言葉を吐いています。


高濃縮ウランさえあれば「汚い爆弾」(ダーティー・ボム)を作ることができます。これは普通の爆弾に放射性物質を詰めて拡散させるもので、製作に高度な技術を必要としません。それでも放射能汚染で都市機能を完全に麻痺させることができます。2002年にアルカイダのメンバーが汚い爆弾によるテロを計画したとして逮捕されています。

シンガポールは、北朝鮮の核がテロリストの手に渡るかも知れないのに、「そんなの関係ねぇ!」なのでしょうか? 決して許される態度ではありません。


ここであなた様にお願いがあります。ほんの少しだけお時間をいただけないでしょうか?

東京のシンガポール大使館に、「北朝鮮の海運を扱っていれば、必ず麻薬や核関連物資を扱うことになる。厳しく取り締まるべきだ」と、メールやファックスや手紙で訴えていただきたいのです。
前回、前々回と訴えていただいた方も、今一度お願いします。

連絡先は下記のとおりです。日本語を理解するスタッフがいるので、日本語で大丈夫です。あなた様がお送りされた趣旨は、公電で本国に報告されます。


シンガポール共和国大使館
106-0032 東京都港区六本木5丁目12-3
電話:03-3586-9111
FAX
03-3582-1085
特命全権大使:タン・チンチョン 閣下
H. E. Mr. Tan Chin Tiong

singemb_tyo@sgmfa.gov.sg


本国政府には英語でお送りください。ファックスは、001-010KDDI)のあとに下記をダイヤルするだけです。国内と同じようにすぐ繋がります。

首相    Prime Minister Lee    
lee_hsien_loong@pmo.gov.sg
FAX: 65-6332-8983
上級相  Senior Minister Goh     
goh_chok_tong@pmo.gov.sg
FAX: 65-6732-4627
顧問相  Minister Mentor Lee     
lee_kuan_yew@pmo.gov.sg
FAX: 65-6734-5244
内相   Home Minister Wong
  wong_kan_seng@mha.gov.sg
FAX: 65-6254-6250
外相    Foreign Minister Yeo      
george_yeo@mfa.gov.sg
FAX: 65-6474-7885
交通相 Transport Minister Lim  
raymond_lim@mot.gov.sg
FAX: 65-6375-7734

 

リー・クアンユー顧問相

大東亜戦争中は日本軍の報道部で、我が国のため情報活動に従事した

 


サンプル文
件名: DPRK Smuggling Network in Singapore
本文:
Dear
(上記の名前、もしくはSir/Madam,

I am writing to urge the
Singapore government to prevent North Korean vessels from transporting WMD and narcotics through Singapore and prohibit shipping companies from providing services to the North.
http://www.un.org/News/Press/docs//2009/sc9679.doc.htm

Yours sincerely,
(あなた様の氏名)


核の脅威は、いま目の前まで迫っています。なんとしてでも、北朝鮮の密輸を阻止しないといけません。
ご家族の安全を守るため、ほんの少しだけお時間をください。よろしくお願いいたします。



ラトビア・シンガポール政府から回答届く!

★ラトビアが捜査開始!

在宅ロビー活動にご参加いただいている皆様、朗報です! 私たちの訴えが効果を発揮しています! なんとラトビア共和国で、北朝鮮秘密銀行口座の捜査が開始されました!

ラトビア外務省法務部のダイアナ・イヌス女史から届いた回答にこうあります。
「あなた様が1110日付の手紙で表明された懸念をラトビア共和国外務省は理解し、事態の重大性を認識しています。当該情報は関係当局に伝達されており、適切に捜査されることをお伝えいたします」

ラトビアは1991年にソ連から独立を回復し、2004年にEUに加盟したばかりですが、国際社会で立派に責務をはたしています!

 

濃い緑がラトビア

(カラビニエール氏作成)


ここのところ順調ですね! 7月には香港で、そして9月には英領ヴァージン諸島で北朝鮮秘密口座の捜査を実現させました。下記に書かせていただいた通りです。

本ブログ2010年8月5日付記事

本ブログ2010年9月20日付記事

そして今回はラトビアです。わずか4ヶ月で、3ヶ国で捜査を実現させたことになります!


★ラトビアは期待できる!

経緯を説明しますと、まず115日にデイリーNKが「39号室が管理するラトビアの秘密口座からニュージーランドに17万ドルが送金され、ニュージーランド当局に凍結された」というスクープを打ちました。

http://japan.dailynk.com/japanese/read_certification.php?cataId=nk00500&num=11099
上の日本語版は会員にならないと全文を読めませんが、下の英語版なら大丈夫です。
http://www.dailynk.com/english/read.php?cataId=nk01500&num=6978
見事なスクープでした!

私はさっそくラトビア政府高官のメールアドレス五十数人分を調べ、捜査を求める要請文を送りました。国連制裁やアメリカの金融制裁について説明し、早急に捜査・凍結すべきと説きました。それが今回の捜査開始につながった次第です。

 

ラトビア陸軍


ラトビアの捜査は大いに期待できます! なぜなら、ラトビアは失うものがないからです。
秘密口座開設場所として選ばれることが多いルクセンブルク、シンガポールなどのタックスヘイブンは、外国税務当局から銀行顧客情報を守ることを売りに資金を集めていますので、秘密保護の評判を重視します。こうした国は秘密保護の評判に傷がつくことを恐れ、往々にしてマネーロンダリング捜査に消極的です。
ところがラトビアはタックスヘイブンではありません。秘密保護など関係ないのです。さらに今回の一件は、人口220万人の小国が国際社会で重要な役割を果たし、CNNのヘッドラインを飾る絶好の機会です!

ラトビアは本気で取り組むと思います。楽しみです。


★口座凍結ドミノは起きるか?

私が密かに期待しているのは、世界各地にある北朝鮮秘密口座がラトビアの捜査をキッカケに次々と凍結されていくドミノ現象です。

秘密口座の一部はアメリカの圧力によって水面下で凍結されましたが、いまだ発見されていない口座が多数あります。当然のことながら秘密口座は、偽装のためペーパーカンパニー名義や外国人名義になっていて、銀行側は知らないことになっています。

ところが私が関係者を取材して分かったのは、銀行側が北朝鮮の口座であることに気づいていないことなどありえない、ということです。少なくとも「疑わしい口座」であることは間違いなく把握しています。利益が出るから知らん顔しているだけなのです。
ここ10年くらい金融界、特にプライベートバンキング業界でKYC(顧客を知れ・Know Your Customer)ということが厳しく言われてきました。真の所有者が分からない弁護士名義の番号口座や、口座番号とパスワードだけの秘密口座は現在どこの国でも作れなくなっています。
北朝鮮の口座がある銀行は、利益とリスクを天秤にかけて、現時点で利益が勝っているから分からないフリをしているだけなのです。

ところが銀行は、危ないとなったら一瞬で北朝鮮を売ります。「疑わしい口座」があることを「今日偶然発見した」と、当局に申し出ます。本当に危ないと思ったら、アメリカ大使館の財務省出向者にも連絡するかも知れません。アメリカ政府はアメリカ銀行との取引を禁じる制裁によって、世界中の銀行を潰す力を持っているからです。

ラトビアで秘密口座凍結が発表されれば、世界中の銀行が「北朝鮮リスクが急激に高まった」と判断します。それによって、世界各地で口座が凍結される凍結ドミノが起きる可能性があります!

秘密口座のカネは金王朝存続のカギです。今度こそ、本当に崩壊させられるかも知れません!


★シンガポールの回答は納得できない!

10
月から訴えさせていただいているシンガポールの北朝鮮密輸ルートについて、シンガポールから回答が届きました。
結論から言うと、誠に不誠実な内容でした。甚だ遺憾です。

北朝鮮密輸ルートについては下記で説明させていただきました。私は政府高官・国会議員180人に、内容を変えて何度もしつこくメールを送っています。

本ブログ2010年10月20日付記事

それに対してシンガポール外務省から1123日付で、質問状を送ってくださったリズ・リン欧州議会議員(イギリス選出)と私のところに、ほぼ同一内容の回答が届きました。

リズ・リン先生への回答にこうあります。
「シンガポール籍海運会社が北朝鮮のため船舶を運航しているという主張、また北朝鮮船舶がシンガポールを経由して大量破壊兵器や麻薬を輸出できるという主張は、なんら根拠がありません」
「新鮮、正確かつ明確な情報が寄せられれば、捜査をする用意があります」

私は思いました。「ムチャクチャな回答だなあ! ちゃんと説明したのに全然読んでいない! 北朝鮮問題の重大性をまったく理解していない!」

まず海運会社の件ですが、コールエイジア海運貿易自身が「開かれた北韓放送」の取材で北朝鮮のため船舶を運航していることを認めています。

http://english.nkradio.org/news/182


またシンガポールの北朝鮮大使館内に海運会社2社(1社は朝鮮名)が入っていて、20年以上同じ場所で営業しています。この会社は20年以上に亘って、「北朝鮮には絶対手を貸さない!」と協力を拒み続けているとでも言うのでしょうか(笑

 

北朝鮮大使館と一体になった海運会社


麻薬密輸の根拠ですが、2003年にシンガポールで船籍を変える偽装工作を行った北朝鮮船ポンス号が、オーストラリアに150キロのヘロインを密輸して拿捕される事件が起きています。
オーストラリア政府は「激しい憤りを示す」ためポンス号を空軍の訓練用標的にして、爆破する映像をマスコミに公開しました。下記でニュース映像をご覧いただけます。

http://www.youtube.com/watch?v=AQeWD6hm6Ak
「根拠がない」どころか、国際ニュースで流れているのです!

「新鮮、正確かつ明確な情報」を見つけるのはシンガポール当局の仕事です。シンガポールは北朝鮮のコンテナ、船舶すべてに対して、徹底した検査を行うべきであり、行っていないから情報がないのです。
たとえば映画『コッドファーザー』で考えてみましょう。コルレオーネ一家シチリア支部からニューヨーク本部あてに送られたコンテナが見つかったとします。中身は「食料品」と書いてあります。この場合、「新鮮、正確かつ明確な情報」がなければ、開けて検査できないでしょうか?
そんなはずはありません。マフィアのコンテナだと分かれば、シンガポールは間違いなく開けて検査するはずです。
それならば、コルレオーネ一家と比べ物にならないほど凶悪な犯罪国家・北朝鮮のコンテナおよび船舶は、一つ残らず徹底的に検査されるのは当然の話です。

全部開けて調べれば、必ず武器や麻薬が出てきます。それを見つけるのはシンガポールの責務なのです。

 

北朝鮮の主要輸出品



★何度も訴えよう!

シンガポール外務省が回答してきた1123日は、北朝鮮による延坪島砲撃事件があった日です。回答文が起案されたのはそれより前で、恐らくウラン濃縮施設の報道がなされる前だと思います。ひょっとしたら、1118日のアメリカ財務省による39号室追加制裁発表より前かも知れません。

朝鮮半島で緊張が高まる今現在この回答を見ると、北朝鮮問題に関心がない人でもかなり非常識な印象を受けると思います。恐らく出したシンガポール外務省も、情勢の急展開に「しまった!」と思っていることでしょう。

通常公的機関に方針を変えさせることは極めて困難ですが、今回は別です。緊急事態が発生したのであり、機動力のあるシンガポール政府ならすぐに方針転換すると思います。



ここであなた様にお願いがあります。拉致被害者を救出するため、ほんの少しだけお時間を割いていただけないでしょうか?
東京のシンガポール大使館に、「北朝鮮の密輸を厳しく取り締まれ!」と、メールやファックスや手紙で訴えていただきたいのです。

すでに過去の呼びかけに応えて訴えてくださった方も多いと思いますが、いま一度お願いします。たくさんメールやファックスが行くことで、より真剣さが伝わります。

連絡先は下記のとおりです。日本語を理解するスタッフがいるので、日本語で大丈夫です。あなた様がお送りされた趣旨は、公電で本国に報告されます。


シンガポール共和国大使館
106-0032 東京都港区六本木5丁目12-3
電話:03-3586-9111
FAX
03-3582-1085
特命全権大使:タン・チンチョン 閣下
H. E. Mr. Tan Chin Tiong

singemb_tyo@sgmfa.gov.sg


本国政府には英語でお送りください。ファックスは、001-010KDDI)のあとに下記をダイヤルするだけです。国内と同じようにすぐ繋がります。

首相    Prime Minister Lee    
lee_hsien_loong@pmo.gov.sg
FAX: 65-6332-8983
上級相  Senior Minister Goh     
goh_chok_tong@pmo.gov.sg
FAX: 65-6732-4627
顧問相  Minister Mentor Lee     
lee_kuan_yew@pmo.gov.sg
FAX: 65-6734-5244
内相   Home Minister Wong
  wong_kan_seng@mha.gov.sg
FAX: 65-6254-6250
外相    Foreign Minister Yeo      
george_yeo@mfa.gov.sg
FAX: 65-6474-7885
交通相 Transport Minister Lim  
raymond_lim@mot.gov.sg
FAX: 65-6375-7734


サンプル文
件名: DPRK Smuggling Network in Singapore
本文:
Dear
(上記の名前、もしくはSir/Madam,

I am writing to urge the
Singapore government to prevent North Korean vessels from transporting WMD and narcotics through Singapore and prohibit shipping companies from providing services to the North.
http://www.un.org/News/Press/docs//2009/sc9679.doc.htm

Yours sincerely,
(あなた様の氏名)


いま全世界の注目が朝鮮半島に集まっています。これは拉致問題解決、核廃棄を目指す私たちにとって、絶好のチャンスです。
私たちの同胞が助けを待っています。全力を尽くそうではありませんか!

 

 

北朝鮮問題解決の方策

このたび『インテリジェンスレポート』の12月号に、「北朝鮮を資金面から締め上げる」という論文を書きました。徹底した制裁以外に解決策はないことを説明した上で、北朝鮮のシンガポール密輸ルートについて解説し、ご協力を呼びかけました。シンガポールに関しては下記内容を詳細にしたものです。

本ブログ2010年10月20日付記事

 

同誌はインテリジェンス・クリエイト社が発行している主にプロ向けの情報分析誌です。

http://www1a.biglobe.ne.jp/i-create/


一部をご紹介させていただきます。

 

 

特別寄稿

北朝鮮を資金面から締め上げる

 

一般国民ができること

シンガポール密輸ルート遮断

 

唯一の道

北朝鮮情勢の膠着状態を打破するにはどうすれば良いか?

著者は金融制裁で体制崩壊寸前まで追い込む以外に、打開策はないと考えている。妥協や懐柔は、事態を悪化させるだけである。

 

韓国の李明博大統領は昨年79日に行われたユーロ・ニュースとのインタビューで、「過去の韓国の政権は、北朝鮮に43億ユーロ(4800億円)相当の支援を10年間にわたって与えた。北朝鮮の開放を目指したものだったが、失敗した。そしていま北朝鮮は核兵器を持っているか、少なくとも作ろうとしている」と述べた。つまり北朝鮮懐柔のため莫大なカネを貢いだ結果、核開発に使われて自国の安全を脅かしただけだったのだ。そればかりでなく、北朝鮮の核拡散により全世界を危険に陥れた。もし北朝鮮の大量破壊兵器がテロ組織に渡る事態が生じたら、韓国や日本は、過去の不作為と作為を厳しく追及されるであろう。

 

一方、たったの2500万ドル(20億円)で膠着状態を打破した事例がある。しかも支出したのでなく、凍結しただけである。言うまでもなく、マカオのバンコ・デルタ・アジアに対する金融制裁である。『朝鮮日報』によれば北朝鮮高官は「血が凍る思いだ」と心境を語ったといい、制裁解除と引き換えに6カ国協議に復帰した。

 

金融制裁の絶大な効果は、すでに実証済なのである。カネの流れを遮断し、莫大な犯罪収益が隠された秘密銀行口座を凍結することで、国際社会の要求に北朝鮮を従わせることができる。

 

金融制裁が効果的なのは、金王朝存続にとってカネが核兵器より重要だからである。もしも金融制裁でカネがまったく動かせなくなると、これまで核心層に配ってきたプレゼントが出せなくなり、呉克烈のような有力者に見限られてクーデターを起こされかねない。北朝鮮人が簡単に人を見限る傾向があることを、金正日はよく理解しているはずである。そして核兵器やミサイルでクーデターを防げないことを考えると、体制存続のために最も重要なのは忠誠を買うためのカネということになる。

 

カネの流れを完全に止めれば、体制は崩壊する。だから金融制裁を徹底的に行えば、北は制裁解除の条件として核放棄と拉致被害者全員解放を実行せざるを得なくなる。この弱点を徹底的につくべきである。

 


在宅ロビー活動

それでは北朝鮮を追い込むため、日本の一般国民にできることはあるか?

著者はメール、ファックス、手紙で外国政府・議会に訴えていく「在宅ロビー活動」によって、国際社会を動かし制裁を強化できると確信している。日本の一般国民が立ち上がれば、必ずや北朝鮮を窮地に追い込むことができる。

 

当然のことながら一般人が国際政治を動かすなどという話は、常識で考えたら妄想以外の何ものでもない。そこで本年7月以降の在宅ロビー活動成功例をいくつか紹介し、実際に効果があることを立証したい。その上で現在取り組んでいる北朝鮮密輸ルート遮断のための活動を紹介し、皆様のご協力を仰ぎたい。

 

ご案内のとおり北朝鮮の外貨収入の大半は密輸による犯罪収益であり、密輸ルートを破壊することで強力な圧力をかけられる。一人でも多くの方がご参加くださることを願っている。

 


草莽の挑戦

まずは在宅ロビー活動について、拉致問題解決を欧州議会(EU全体の議会)に決議させた事例で説明したい。

 

著者は5月に、欧州議会代表団が北朝鮮を訪問予定という情報を得たので、訪朝予定議員に資料やDVDを郵送して拉致問題を取り上げるよう強く要請した。同時にメーリングリスト等で有志に呼びかけ、大勢の方にメールやファックスを送っていただいた。残念ながら訪朝は取り止めになったが、今度は欧州議会が北朝鮮非難決議を準備中だと議員秘書が教えてくれたので、再び有志とともに拉致問題を決議に入れるよう強く要請した。


これが成功したのである。欧州議会は78日に、EU市民を含む外国人拉致を強く非難し、即時解放を求める決議文を採択した。このことは新聞でご覧になって覚えておられる方も多いだろう。過去の決議で拉致問題はまったく取り上げられなかったが、日本の民間有志が訴えたら1ヶ月で採択されたのである。この決議はEUに加盟する全27カ国の外交政策に影響を及ぼし、これから徐々に効果を発揮していく。


もう一つ例を挙げたい。今年になって北朝鮮は、外資誘致で経済破綻を乗り切ろうと大豊(デプン)国際投資グループを立ち上げた。国防委員会直属の同グループは資本金100億ドル(約8000億円)で、10兆円規模の開発計画が発表された。
「これでは経済制裁が無力化し、拉致被害者を永久に取り返せない!」と危機感を感じて調査したところ、香港にペーパーカンパニーがあること、大型経済事件の刑事被告人が関わっていること、そして国連制裁決議に違反していること等が分かった。そこで719日から香港当局に対して、大勢の有志とともに捜査を求める在宅ロビー活動を開始した。


効果はすぐに出た。香港当局は直ちに捜査を開始し、全銀行に対して大豊グループとの取引を報告するよう命じたのである。英文でネット検索すればすぐに捜査開始を報じる記事が出るので、今後新規で取引する銀行は世界中どこにもないだろう。

 

成功の原因の一つは、クリントン国務長官の追加金融制裁発表とタイミングが合った僥倖である。それはともかく、日本の一般人がメールやファックスを送っただけで、北朝鮮の国家プロジェクトが頓挫したのだ。


本年度の成功例としては他にも、2月にイギリス貴族院議会で北朝鮮マネーロンダリング問題の質疑を実現させたことや、9月に英領ヴァージン諸島で北朝鮮秘密銀行口座の捜査を実現させたことなどが挙げられる。また2月にデイリー・テレグラフの取材を受け、「金正日の秘密資金40億ドル(3200億円)がルクセンブルクに隠されている」というスクープを打ってもらったが、これも金融制裁の必要性を各国に認識してもらう上で非常に役に立った。

 

なんだか自慢話のようになってしまい誠に恐縮だが、志ある一般国民が少し時間を割くだけで、国際政治に影響を及ぼせることをご理解いただけたと思う。

(中略)

 

体制打倒

北朝鮮情勢には危険な落とし穴が潜んでいる。

膠着状態が続けばアメリカは、絶対に拡散しない条件で北を核保有国として黙認することが十分に考えられる。そして制裁を解除し、以前から北朝鮮投資に関心を示していたゴールドマン・サックス等に投資させて、経済発展による体制安定化を図る可能性が高い。

 

それはわが国が絶対に受け入れられないシナリオである。核保有国の北朝鮮とは決して共存できない。わが国は国家存亡の危機に直面し、あらゆる障害を乗り越えて核武装せざるを得なくなるだろう。そうなれば拉致問題は、議題にすることすら不可能になってしまう。

 

結局わが国は、北朝鮮の体制打倒を目指すしかないのだ。国際的制裁で体制崩壊寸前まで追い込み、核を放棄させ拉致被害者を全員救出するのが理想であるが、交渉が決裂すればそのまま崩壊させるしかない。とにかく北朝鮮が核保有国として黙認される事態だけは絶対に回避しなければならない。

 

制裁強化に向けて、日本政府のより積極的な外交努力が求められる。そして一般国民も在宅ロビー活動によって、全世界に訴えていくべきである。日本を守るのは日本人だけである。

 

 
プロフィール

加藤健

アジア調査機構代表 保守系ロビー活動家 

拉致等の北朝鮮人道犯罪追及、朝鮮総連破産申立て推進、外貨資金源根絶などを行う。
本ブログ記載の通り、北朝鮮工作員の偽装用旅券を暴いたり、高麗航空の寄航拒否を実現したり、投資計画を潰したりといった戦果をあげる。

毎回読者の皆様に「在宅ロビー活動」へのご協力を要請。ぜひご参戦を!

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