加藤健の「天を回せ! ロビー活動で挑む」

一般国民が国際政治を動かすための具体的方法論

金正日の弱点、秘密口座を狙え! あと一押しだ!

★スイス外務大臣から書簡が届いた!

金正日秘密口座凍結プロジェクトにご参加いただいている皆様、私たちの努力が成果をあげています!
このたびスイス外務大臣および連邦警察マネーロンダリング通報局局長から、マネーロンダリングに断固対処する旨の署名入り書簡をいただきました。金正日の4000億円近い秘密財産はいよいよ危なくなってきました! 凍結に向けて、いま一度ご協力をお願いします。

カルミレイ外務大臣から私宛に送られてきた書簡は、驚くほど踏み込んだ内容でした。以下が要旨です。
「北朝鮮資金に関する疑惑については承知しており、以前から重大な関心を持っており今後も注視していく」
「犯罪収益が投資されないようにすることが、スイスの主要関心事である」
「北朝鮮の人権状況を注視しており、人権擁護のため引き続き活発に行動する」

これはつまり、北朝鮮が犯罪国家であり、その資産運用がマネーロンダリングを構成するとの認識を示したものです。まさかこれほど率直な回答をいただけるとは思ってもいませんでした。

連邦警察マネーロンダリング通報局のジュディス・ヴォネイ局長からいただいた書簡も、冒頭で「個別のケースについてはお答えできない」と断りながらも、金正日を名指しした要請に対して次のように回答しています。
「スイスは人権侵害もマネーロンダリングもテロ資金も許さない」
「スイス検察庁は犯罪捜査のためならいつでも銀行機密を解除できるし、外国の検察当局との捜査共助も行なう。銀行機密保護は、犯罪との戦いにまったく障害とならない」

「人権侵害(abuse of human rights)」を、マネーロンダリングやテロ資金と並べて「許さない(does not tolerate)」と明記している点は注目に値します。これは私がアメリカ国務省の人身売買報告書と人権報告書を引用して、政治犯収容所内の壮絶な強制労働を訴えたことへの回答です。スイス政府は、北朝鮮が行なっている非人道的行為を決して許さないという姿勢を明確に示したのです。


★草莽の力

実はスイス政府の姿勢は、2006年時点から大きく変化しています。

2009年8月20日の呼びかけで、金正日秘密口座疑惑を指摘された北朝鮮が大慌てでスイス政府に調査を要請した経緯を書きました。これは銀行機密を厳格に保護するスイスが、決して要請に応じないと見越した上での北朝鮮のスタンドプレーでした。

本ブログ2009年8月20日付記事
案の定スイス政府は20064月に要請を断り、「スイス国内で北朝鮮による明白な違法行為の疑いがない」「北朝鮮国内で金総書記への捜査が開始され、その捜査に基づいて協力要請があった場合でなければ調査できない」との見解を示しました。
http://www.47news.jp/CN/200604/CN2006042501004677.html
それと今回の回答を比べると、対北朝鮮政策が大きく転換したことが分かると思います。

私たちの真摯な訴えが、スイス政府に北朝鮮リスクを認識させた可能性が高いと思います。このたび大勢の方にご協力をいただき、多数のメール、ファックス、手紙がスイス大使館やスイス本国政府に送られました。スイスからすれば十数年前のホロコースト犠牲者銀行口座問題以来のことで、ビックリしたことでしょう。北朝鮮と完全に決別しなければ、金融センターとしての評価が危なくなると痛感したはずです。

私たち草莽による在宅ロビー活動は、効いているのです。


★あと一押しだ!

スイス政府は北朝鮮に対する厳しい姿勢を明確にしましたが、まだ積極的行動までは起こしていません。今現在は疑わしい取引の通報義務を定めた1997年制定の反マネーロンダリング法に従って、金融機関が通報してくるのを待っている状態です。しかしながら同法は現在の取引が対象なので、北朝鮮がすでに資金を移転していたら通報されることはありません。

ぜひともスイス政府から全銀行に、「過去の分も含めて北朝鮮関連取引をすべて開示せよ」と命令してもらう必要があります。金正日の秘密資金がいつ、どこに送金されたのかを過去に遡って調査してもらわないといけません。

前回の繰り返しになりますが、いま一度メールをお送りください。
同じ人が何度送ってもいいのです。数は多ければ多いほど、取引開示命令の実現に近づきます。
メッセージと送り先は下記のとおりです。


件名: Request for Investigation
本文: I hereby request that an investigation be launched into North Korean dictator Kim Jong-Il’s money laundering and his secret bank accounts be frozen.

http://www.fincen.gov/statutes_regs/guidance/html/fin-2009-a002.html

送り先
スイス財務省(大統領が財務相兼任) 
info@gs-efd.admin.ch
スイス連邦警察マネーロンダリング通報局(下部のE-mailの表示をクリック)
http://www.fedpol.admin.ch/fedpol/en/home/themen/kriminalitaet/geldwaescherei.html
ルクセンブルク政府
http://www.gouvernement.lu/functions/contact/index.php

詳しくは前回の呼びかけをご参照ください。

本ブログ2009年9月20日付記事

もしスイスが調査に着手したら、金正日は食事も喉を通らない状態になります。スイスが積極的姿勢を示せば世界中のタックスヘイブンが追随する可能性が高く、国家犯罪で貯めこんだ4000億円近い財産は命令書1通で凍結されてしまいます。それは高級幹部の忠誠を買うための資金が引き出せなくなることを意味するので、クーデターで殺されかねません。金正日は核を放棄して拉致被害者を解放し、国際社会に凍結解除をお願いするしかなくなります。

あなたの助けを待つ拉致被害者のため、3分だけ時間をください。拉致被害者を取り返し、金正日に頭を下げさせようではありませんか! ご協力よろしくお願いします。

金正日の弱点、秘密口座を狙え! もう一度スイスに

★あの大物が協力してくれる

良いお知らせがあります! 前回、金正日の秘密銀行口座凍結を訴えようと呼びかけさせていただきましたが、ハーバード大学のジョセフ・ナイ博士から「機会があればオバマ政権中枢に問題提起してみます」と早速メールで返答をいただきました。

ジョセフ・ナイ博士は国際政治に関心がある方ならご存知だと思います。1977年にカーター政権の国務次官補になって以来30年以上、常にアメリカ外交政策のキーパーソンだった人物です。恐らくナイ博士の持つ北朝鮮情勢への実質的影響力は、日本の首相以上だと思います。これだけの大物が動いてくれるのですから、私たち草莽も在宅ロビー活動で側面支援したいものです。

なおアメリカの有力者二百数十人とスイス・ルクセンブルクの閣僚に要請文を発送してからまだ2週間も経っていませんので、これからまだまだ返事が届くはずです。


★この方法ならカンタン!

さて前回2009年8月20日に、メールや手紙、ファックスで要請文を送ろうと呼びかけさせていただきましたが、「もっとカンタンにできる方法も紹介したらどうか」というご提案をいただきました。

http://kenkato.iza.ne.jp/blog/entry/1900866/


在宅ロビー活動でもっとも効果的なのは、教養ある多くの市民がそれぞれの視点、切り口で個別にメッセージを送っていくことですが、同じメッセージを大勢で送りつける圧力団体的手法もある程度の効果が期待できます。

そこで今回、下記メッセージをメールで送ることを呼びかけたいと思います。

件名: Request for Investigation
本文: I hereby request that an investigation be launched into North Korean dictator Kim Jong-Il’s money laundering and his secret bank accounts be frozen.

http://www.fincen.gov/statutes_regs/guidance/html/fin-2009-a002.html

送り先
スイス財務省(大統領が財務相兼任) 
info@gs-efd.admin.ch
スイス連邦警察マネーロンダリング通報局(下部のE-mailの表示をクリック)
http://www.fedpol.admin.ch/fedpol/en/home/themen/kriminalitaet/geldwaescherei.html
ルクセンブルク政府
http://www.gouvernement.lu/functions/contact/index.php

件名は「捜査の要請」で、本文は「北朝鮮の独裁者・金正日のマネーロンダリングを捜査し、秘密銀行口座を凍結するよう要請します」という文章と、アメリカ財務省金融犯罪捜査ネットワーク(FinCEN)の北朝鮮マネーロンダリングに関する警告文へのリンクになります。これをコピー&ペーストして送るだけです。カンタンです。

ルクセンブルクには金正日秘密資金がスイスから移されたと、「AERA200612日号は韓国情報筋の話として報じています。ぜひルクセンブルク政府にもお送りください。上記入力フォームのNomはファーストネーム、Prénomは姓、Paysは国になります。

たとえ金正日の秘密口座が今現在スイスやルクセンブルクになくとも、過去の送金記録が残っていますので、調査開始のニュースは北朝鮮への強烈な圧力になります。そこまで行かなくても「凍結せよ」と大勢の日本人が要請している事実だけで、金正日は強い不安を感じるはずです。スイス大使・李徹(イ・チョル)からの報告で不眠症になるかも知れません。彼は国民数百万人が餓死しても何とも思わない男ですが、数千億円の隠し財産が危なくなれば夜も眠れません。

金正日を震え上がらせてやろうではありませんか! 大事な隠し財産を攻め立てて、拉致被害者を取り戻して核を放棄させましょう。

あなたの助けを待つ同胞のために、ほんの3分だけ時間を割いてください。よろしくお願いします。


★自分がやらねば誰がやる

このたびアメリカの有力者二百数十人に郵送で要請文と資料を送りましたが、あらためてインターネットの力を感じました。送り先はオバマ大統領、クリントン国務長官、ガイトナー財務長官、国家安全保障会議(NSC)担当者、国務省担当者、財務省担当者、上院議員全員、下院有力者、下院外交委員会所属議員全員、歴代大統領、過去の高官、北朝鮮に関わるシンクタンク研究者・ジャーナリストなどです。今から15年前なら、日本在住の一般市民がこれら送り先の住所を調べることは難しかったと思います。それ以前に、誰に送ったらいいのかさえ分からなかったはずです。なんと便利な時代になったことでしょう。

アーミテージさんやボルトンさんなど現役でない人にも多数送りましたが、現役でないからこそ本人に直接読んでもらえる率が高くなります。そして読んで賛同してくれれば、新聞に書いてくれるかも知れません。それはやがてアメリカの政策を、ひいては東アジアの歴史を変えるかも知れないのです。

例えばボルトンさんが3月にウォールストリート・ジャーナルに書いた下記論説は、「平壌・ダマスカス・テヘラン核の枢軸」間の協力関係について述べています。アメリカ人の北朝鮮への関心は決して高くないですが、これを読んだ多くの人は北朝鮮核拡散の脅威を認識したと思います。それはやがて政策に反映されるのです。

http://online.wsj.com/article/SB123759986806901655.html

もっと大物だと、元国務長官のオルブライトさんは現在オルブライト・グループというコンサルティング・ロビイング会社を経営するかたわらオバマ政権にアドバイスを行なっています。オバマ大統領に直接手紙を送っても高官に読んでもらえる率は低いですが、オルブライト・グループに送れば彼女に近い秘書、また運良ければ本人に読んでもらえるのです。

こうしてみると、手紙やメールを送る手軽な在宅ロビー活動を逆に「行わない」ことが、たいへんな機会損失に思えてくるのです。有史以来、いまほど一般市民が国際政治に関与できる時代はないのです。

残念ながら我が国は、これから厳しい局面を迎えます。命懸けで日本を守った先人の苦労を、我がこととして感じられる時代が来ます。
一人でも多くの方が「自分がやらねば誰がやる」の気持ちで、在宅ロビー活動に取り組んでいただけたらと願っています。

あなたの出した手紙が天(国際政治)を回し、歴史を動かすかも知れません。わずかな可能性に賭けてみませんか。

金正日の弱点、秘密口座を狙え! ご協力の呼びかけ

★ 金正日を震え上がらせる

金正日を夜も眠れないほど怯えさせて、拉致被害者を取り返したいと思ったことはありませんか? そんな夢をお持ちの方に朗報です! 私たち一般人でも力を合わせれば、秘密口座凍結という強烈な脅しをかけられるのです!

金正日は国外に40億ドル(約3800億円)もの個人資産を隠しているといわれます。2006413日付のワシントンタイムズによれば、「金正日がスイスの秘密番号口座に隠しているといわれる40億ドルについて調査するのか?」と質問されたヒル米国務次官補は、調査の可能性を示唆しました。3年前のほとんど報じられなかったベタニュースです。
http://washingtontimes.com/news/2006/apr/13/20060413-110217-4563r/

ところが北朝鮮側の過剰反応は驚くべきものでした。10日もしないうちにスイス政府に対して、秘密口座疑惑を調査せよと正式に要請したのです。もちろん銀行機密保護を法律で定めるスイスが、要請に応じられないことなど百も承知の上でのスタンドプレーです。
http://www.47news.jp/CN/200604/CN2006042501004677.html


さらに在スイス北朝鮮大使館は韓国の聯合ニュースに、疑惑は「共和国の評価を貶めるための月並みな謀略だ」と非難する声明文まで送りつけました。ちなみにスイス大使は秘密口座の管理者といわれる李徹(イ・チョル)です。

おやおや、臭いますねえ。小学生のころを思い出してください。教室に香ばしい香りが漂うと、「ボクはオナラなんかしていないよ!そんな目で見るなよ!」と真っ赤になって否定する子がいませんでしたか?
記事のとおり、ヒル次官補は自ら秘密口座に言及していません。質問に答えて「もし核不拡散条約から脱退しプルトニウム抽出をはじめ、核兵器を作ると宣言し弾道ミサイルを保有する国があれば、その国の財源が調査されるのは妥当でしょう」と述べているだけなのです。北朝鮮の慌てぶりがよく分かります。

秘密口座こそ金正日最大の弱点なのです!
金一族が亡命することになっても、数千億円もあれば遊んで暮らせます。ところが口座を凍結されたら亡命できないし、それ以前に幹部の忠誠を買う資金が引き出せなくなるので殺されかねません。秘密口座は金一族の生存にとって、核兵器以上に重要なものなのです。

自分に置き換えて考えてみると分かりやすいと思います。例えばあなたがある日とつぜん、銀行預金全部と年金受給権を凍結すると言われたらどうでしょう? 目の前が真っ暗になると思います。もしも仮によその子を誘拐していたとしたら、「すぐに全員返すから凍結は勘弁してくれ!」と泣きつきたくなりませんか?
この弱点を狙わない手はありません!


★ 在宅ロビー活動

私はメールアドレスを登録してあるヨーロッパ議会議員、イギリス・フランス・オーストラリアなどの国会議員、アメリカのマスコミ関係者など3000件以上に、「金正日が犯罪収益をマネーロンダリングしている。核や人権問題解決のために秘密口座問題を取り上げ、スイス政府に調査・凍結を要請してください」という訴えを送りました。

また銀行機密に関してはアメリカの要請が一番効くので、オバマ大統領、アメリカ政府高官、上院議員全員、下院の主要議員、下院外交委員会所属議員全員、シンクタンク等の有力者約200人に、航空便で書簡を送ります。さらにスイスのメルツ大統領兼金融大臣、司法大臣、外務大臣にも郵送で要請文を送ります。基本的にメールより郵便のほうが真剣に対応してもらえます。ただ郵便は作成に何倍も手間がかかります。

このような在宅ロビー活動のノウハウについては、兵頭二十八著『予言 日支宗教戦争』(並木書房)の第7章で私が解説させていただきました。ご興味ある方はぜひご覧ください。


★ 助けを待つ人がいる! ご協力を!

ここで皆様にお願いがあります。
日本を守るため、助けを待つ私たちの同胞(拉致被害者・日本人妻)を取り戻すため、少しだけお時間をください。下記に手紙、ファックスまたはメールを送って、金正日秘密口座の問題を取り上げるよう依頼していただきたいのです。

日本語で書かれる方は下記にお願いします。

駐日アメリカ合衆国特命全権大使
ジョン・V・ルース閣下
107-8420
東京都港区赤坂1-10-5
FAX: 03-3505-1862

ルース大使は着任されたばかりで、自分宛にたくさん手紙が来ていると知ったら興味を持つと思います。オバマ大統領は大使を「私に直接助言できる人物」と紹介しています。ぜひ金正日秘密口座について助言していただきたいものです。

駐日スイス連邦特命全権大使
ポール・フィヴァ閣下
106-8589
東京都港区南麻布5-9-12
FAX: 03-3473-6090
tok.vertretung@eda.admin.ch


英語で書かれる方は下記にお願いします。

米大統領補佐官
Gen. James L. Jones, Jr.
National Security Advisor
Eisenhower Executive Office Building
1650 Pennsylvania Ave, NW
Washington, D.C. 20504
USA
FAX: 1-202-456-9490

米国務副長官
Dr. James B. Steinberg
Deputy Secretary of State
2201 C Street NW
Washington, D.C. 20520
USA
FAX: 1-202-261-8577
jsteinberg@austin.utexas.edu
(休職中の大学のアドレス)

米財務次官(テロ・金融情報担当)
Mr. Stuart A. Levey
Under Secretary for TFI
1500 Pennsylvania Avenue, NW
Washington, D.C. 20220
USA
FAX: 1-202-622-6415


スイス大統領兼金融大臣
President Hans-Rudolf Merz
Federal Department of Finance
Bundesgasse 3, 3003 Bern
SWITZERLAND
FAX: 41-31-323-3852
info@gs-efd.admin.ch



本格的にお送りいただける方は、上記住所でベーダーNSCアジア上級部長、ボズワース北朝鮮問題担当特別代表、また下記の上院議員、下院議員などにもお送りください。
http://www.senate.gov/general/contact_information/senators_cfm.cfm
http://clerk.house.gov/committee_info/index.html

あなたの出した一通の手紙が、秘密口座問題に火をつけ、金正日を窮地に陥れるかも知れません! そうなれば拉致問題は劇的に動く可能性があります!
同じ日本人として、できることは何でもやりたいものです。ぜひご協力を!


★ 解説

ここで銀行機密について解説します。北朝鮮が金融取引に使っているとみられる香港、スイス、オーストリア、ルクセンブルグなどの金融センターは、いずれも法律によって銀行の顧客情報を厳重に保護しています。例えばスイスの場合、連邦憲法第13条でプライバシー権を保障し、1934年制定の連邦銀行法第47条で顧客情報を漏らした者を禁固刑に処すと定めています。マスコミが金正日の口座について問い合わせしても、スイス銀行が情報を漏らすことは決してありません。漏らしたら行員が刑務所行きになるし、そもそも担当者とその上司しか顧客名が分からないシステムになっているのです。他部署の行員と顧客の話をしただけで犯罪になるほど、銀行機密は厳重に守られています。

スイスは何世紀ものあいだ世界中の富裕層の財産を守ってきました。民主主義が未成熟な国の教養と財産がある層や、政治亡命者に財産の安全を提供したことは、議会制民主主義の発展に大きく貢献したと思います。そうした伝統に誇りを持っているからこそ、スイスは頑強に銀行機密を守ってきたのです。

しかしながら銀行機密保護は絶対のものではありません。スイスの場合、スイスの法律に照らして合法に得られた資金のみを保護します。例えばスイスで文書偽造を伴わない脱税は犯罪でなく、行政罰の対象でしかありません。そのため海外の税務当局から情報開示要請が来ても、昨年までは断固として撥ねつけていました。
一方スイスで犯罪となる行為で得た資金のマネーロンダリングは、銀行側に調査・通報義務がありますし、政府が預金を凍結します。日本のヤミ金融グループがスイスに預けていた50億円以上の犯罪収益が、スイス当局に凍結されて日本に返還されたことをご記憶の方も多いと思います。また今年から脱税事案もOECD基準で開示されることになり、スイス大手銀行が多数のアメリカ人顧客の情報を開示しました。

それではなぜ金正日の秘密口座は凍結されていないのでしょうか? 彼の資産の相当部分は、麻薬密売、通貨偽造、保険金詐欺等々、スイスの法律に照らして違法に得られた犯罪収益であり、本来は通報・凍結の対象のはずです。

実は金正日の秘密口座に入るまでには何段階もあるので、「このカネが犯罪で作られたという証拠はない。現に北朝鮮は金の輸出をやっているではないか」という言い訳が銀行側に成立するのです。問題にならない限り、銀行はなるべく有利な言い訳を採用して利益を追求します。金正日口座は、問題になっていないから凍結を免れているだけなのです。

銀行にとって金正日は上客中の上客です。スイス大手銀行の一任勘定口座は手数料1%代ですが、40億ドルなら年間40億円以上です。レピュテーションリスクと収益を天秤にかけて考えるのがプライベートバンキングであり、欧米先進国で問題にならない限り取引を継続するのはこれまでの常識からすれば当然のことでした。

ところが状況は変わりました。スイスを例に説明したルールや基準はタックス・ヘイブンとされる金融センターにおおむね共通するものですが、G20でタックス・ヘイブンが大問題になるなど近年非常に風当たりが強くなっています。そのためテロ資金、犯罪収益、またアメリカと対立する可能性のある事柄については、非常に厳格な対応がなされるようになっています。例えばスイスの大手銀行2行は、最近になってアメリカ人の秘密口座(所得無申告口座)をすべて解約するという昔なら考えられない動きに出ました。
http://www.reuters.com/article/idUSTRE53B0XB20090412

そう、金正日の口座を狙うなら今がチャンスなのです!

もしアメリカの政府、議会やマスコミで、「金正日のカネを預かるのはマネーロンダリングではないか」という議論がさかんになれば、銀行は顔面蒼白になります。マネーロンダリングを手伝ったとなれば、国際金融の世界から締め出されて倒産する可能性すらあるからです。すぐに当局に通報するか、少なくとも解約を言い渡すでしょう。
テロ活動封じ込めのためにアメリカが制定した愛国者法(パトリオット・アクト)第311条により、財務長官はマネーロンダリングの懸念がある外国銀行との取引禁止をアメリカ銀行に命令できます。ドル建ての送金をするには国際金融の仕組上アメリカの銀行を通す必要があるので、取引が禁止されるとドルを動かせなくなり、信用低下で他の銀行にも取引を打ち切られ営業停止に追い込まれます。311条を適用されたマカオのバンコ・デルタ・アジアで取り付け騒ぎが起きたことは、世界中の銀行員が知っているはずです。

金正日口座担当のプライベートバンカーも顔面蒼白になります。マネーロンダリングに関わったと認定されたら、エリート人生は一瞬で終わりです。仮に銀行の方針が金正日との取引継続であったとしても、担当者が保身のために情報提供する可能性があります。また過去に関わった担当者も情報提供するかも知れません。

今現在、金正日の秘密口座がまだスイスにあるかどうかは情報がありません。ジュネーブかチューリッヒにあった口座を、同じ銀行のルクセンブルグや香港の口座に移したかも知れませんし、各地に分散したかも知れません。銀行を変えたかも知れません。

しかしどこに移そうが、預け先がまともな銀行である限り上記は当てはまり、秘密口座は確実に凍結に近づきます。金正日にとってこのプレッシャーは大変なものです。核問題と拉致問題解決への強力なテコになります。
そしてもし凍結に成功したら、3800億円を返してもらうために金正日は妥協せざるを得なくなるでしょう。そのとき歴史が動くのです。

一見なんでもないことのように思える手紙やメールによる在宅ロビー活動が、大きな可能性を秘めていることをご理解いただけると思います。

ぜひご参加を! あなたの助けを待つ人がいます。

 

 

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