★ラトビアが捜査開始!
在宅ロビー活動にご参加いただいている皆様、朗報です! 私たちの訴えが効果を発揮しています! なんとラトビア共和国で、北朝鮮秘密銀行口座の捜査が開始されました!
ラトビア外務省法務部のダイアナ・イヌス女史から届いた回答にこうあります。
「あなた様が11月10日付の手紙で表明された懸念をラトビア共和国外務省は理解し、事態の重大性を認識しています。当該情報は関係当局に伝達されており、適切に捜査されることをお伝えいたします」
ラトビアは1991年にソ連から独立を回復し、2004年にEUに加盟したばかりですが、国際社会で立派に責務をはたしています!
濃い緑がラトビア
(カラビニエール氏作成)
ここのところ順調ですね! 7月には香港で、そして9月には英領ヴァージン諸島で北朝鮮秘密口座の捜査を実現させました。下記に書かせていただいた通りです。
本ブログ2010年9月20日付記事
そして今回はラトビアです。わずか4ヶ月で、3ヶ国で捜査を実現させたことになります!
★ラトビアは期待できる!
経緯を説明しますと、まず11月5日にデイリーNKが「39号室が管理するラトビアの秘密口座からニュージーランドに17万ドルが送金され、ニュージーランド当局に凍結された」というスクープを打ちました。
http://japan.dailynk.com/japanese/read_certification.php?cataId=nk00500&num=11099
上の日本語版は会員にならないと全文を読めませんが、下の英語版なら大丈夫です。
http://www.dailynk.com/english/read.php?cataId=nk01500&num=6978
見事なスクープでした!
私はさっそくラトビア政府高官のメールアドレス五十数人分を調べ、捜査を求める要請文を送りました。国連制裁やアメリカの金融制裁について説明し、早急に捜査・凍結すべきと説きました。それが今回の捜査開始につながった次第です。
ラトビア陸軍
ラトビアの捜査は大いに期待できます! なぜなら、ラトビアは失うものがないからです。
秘密口座開設場所として選ばれることが多いルクセンブルク、シンガポールなどのタックスヘイブンは、外国税務当局から銀行顧客情報を守ることを売りに資金を集めていますので、秘密保護の評判を重視します。こうした国は秘密保護の評判に傷がつくことを恐れ、往々にしてマネーロンダリング捜査に消極的です。
ところがラトビアはタックスヘイブンではありません。秘密保護など関係ないのです。さらに今回の一件は、人口220万人の小国が国際社会で重要な役割を果たし、CNNのヘッドラインを飾る絶好の機会です!
ラトビアは本気で取り組むと思います。楽しみです。
★口座凍結ドミノは起きるか?
私が密かに期待しているのは、世界各地にある北朝鮮秘密口座がラトビアの捜査をキッカケに次々と凍結されていくドミノ現象です。
秘密口座の一部はアメリカの圧力によって水面下で凍結されましたが、いまだ発見されていない口座が多数あります。当然のことながら秘密口座は、偽装のためペーパーカンパニー名義や外国人名義になっていて、銀行側は知らないことになっています。
ところが私が関係者を取材して分かったのは、銀行側が北朝鮮の口座であることに気づいていないことなどありえない、ということです。少なくとも「疑わしい口座」であることは間違いなく把握しています。利益が出るから知らん顔しているだけなのです。
ここ10年くらい金融界、特にプライベートバンキング業界でKYC(顧客を知れ・Know Your Customer)ということが厳しく言われてきました。真の所有者が分からない弁護士名義の番号口座や、口座番号とパスワードだけの秘密口座は現在どこの国でも作れなくなっています。
北朝鮮の口座がある銀行は、利益とリスクを天秤にかけて、現時点で利益が勝っているから分からないフリをしているだけなのです。
ところが銀行は、危ないとなったら一瞬で北朝鮮を売ります。「疑わしい口座」があることを「今日偶然発見した」と、当局に申し出ます。本当に危ないと思ったら、アメリカ大使館の財務省出向者にも連絡するかも知れません。アメリカ政府はアメリカ銀行との取引を禁じる制裁によって、世界中の銀行を潰す力を持っているからです。
ラトビアで秘密口座凍結が発表されれば、世界中の銀行が「北朝鮮リスクが急激に高まった」と判断します。それによって、世界各地で口座が凍結される凍結ドミノが起きる可能性があります!
秘密口座のカネは金王朝存続のカギです。今度こそ、本当に崩壊させられるかも知れません!
★シンガポールの回答は納得できない!
10月から訴えさせていただいているシンガポールの北朝鮮密輸ルートについて、シンガポールから回答が届きました。
結論から言うと、誠に不誠実な内容でした。甚だ遺憾です。
北朝鮮密輸ルートについては下記で説明させていただきました。私は政府高官・国会議員180人に、内容を変えて何度もしつこくメールを送っています。
それに対してシンガポール外務省から11月23日付で、質問状を送ってくださったリズ・リン欧州議会議員(イギリス選出)と私のところに、ほぼ同一内容の回答が届きました。
リズ・リン先生への回答にこうあります。
「シンガポール籍海運会社が北朝鮮のため船舶を運航しているという主張、また北朝鮮船舶がシンガポールを経由して大量破壊兵器や麻薬を輸出できるという主張は、なんら根拠がありません」
「新鮮、正確かつ明確な情報が寄せられれば、捜査をする用意があります」
私は思いました。「ムチャクチャな回答だなあ! ちゃんと説明したのに全然読んでいない! 北朝鮮問題の重大性をまったく理解していない!」
まず海運会社の件ですが、コールエイジア海運貿易自身が「開かれた北韓放送」の取材で北朝鮮のため船舶を運航していることを認めています。
http://english.nkradio.org/news/182
またシンガポールの北朝鮮大使館内に海運会社2社(1社は朝鮮名)が入っていて、20年以上同じ場所で営業しています。この会社は20年以上に亘って、「北朝鮮には絶対手を貸さない!」と協力を拒み続けているとでも言うのでしょうか(笑
北朝鮮大使館と一体になった海運会社
麻薬密輸の根拠ですが、2003年にシンガポールで船籍を変える偽装工作を行った北朝鮮船ポンス号が、オーストラリアに150キロのヘロインを密輸して拿捕される事件が起きています。
オーストラリア政府は「激しい憤りを示す」ためポンス号を空軍の訓練用標的にして、爆破する映像をマスコミに公開しました。下記でニュース映像をご覧いただけます。
http://www.youtube.com/watch?v=AQeWD6hm6Ak
「根拠がない」どころか、国際ニュースで流れているのです!
「新鮮、正確かつ明確な情報」を見つけるのはシンガポール当局の仕事です。シンガポールは北朝鮮のコンテナ、船舶すべてに対して、徹底した検査を行うべきであり、行っていないから情報がないのです。
たとえば映画『コッドファーザー』で考えてみましょう。コルレオーネ一家シチリア支部からニューヨーク本部あてに送られたコンテナが見つかったとします。中身は「食料品」と書いてあります。この場合、「新鮮、正確かつ明確な情報」がなければ、開けて検査できないでしょうか?
そんなはずはありません。マフィアのコンテナだと分かれば、シンガポールは間違いなく開けて検査するはずです。
それならば、コルレオーネ一家と比べ物にならないほど凶悪な犯罪国家・北朝鮮のコンテナおよび船舶は、一つ残らず徹底的に検査されるのは当然の話です。
全部開けて調べれば、必ず武器や麻薬が出てきます。それを見つけるのはシンガポールの責務なのです。
北朝鮮の主要輸出品
★何度も訴えよう!
シンガポール外務省が回答してきた11月23日は、北朝鮮による延坪島砲撃事件があった日です。回答文が起案されたのはそれより前で、恐らくウラン濃縮施設の報道がなされる前だと思います。ひょっとしたら、11月18日のアメリカ財務省による39号室追加制裁発表より前かも知れません。
朝鮮半島で緊張が高まる今現在この回答を見ると、北朝鮮問題に関心がない人でもかなり非常識な印象を受けると思います。恐らく出したシンガポール外務省も、情勢の急展開に「しまった!」と思っていることでしょう。
通常公的機関に方針を変えさせることは極めて困難ですが、今回は別です。緊急事態が発生したのであり、機動力のあるシンガポール政府ならすぐに方針転換すると思います。
ここであなた様にお願いがあります。拉致被害者を救出するため、ほんの少しだけお時間を割いていただけないでしょうか?
東京のシンガポール大使館に、「北朝鮮の密輸を厳しく取り締まれ!」と、メールやファックスや手紙で訴えていただきたいのです。
すでに過去の呼びかけに応えて訴えてくださった方も多いと思いますが、いま一度お願いします。たくさんメールやファックスが行くことで、より真剣さが伝わります。
連絡先は下記のとおりです。日本語を理解するスタッフがいるので、日本語で大丈夫です。あなた様がお送りされた趣旨は、公電で本国に報告されます。
シンガポール共和国大使館
〒106-0032 東京都港区六本木5丁目12-3
電話:03-3586-9111
FAX:03-3582-1085
特命全権大使:タン・チンチョン 閣下
H. E. Mr. Tan Chin Tiong
singemb_tyo@sgmfa.gov.sg
本国政府には英語でお送りください。ファックスは、001-010(KDDI)のあとに下記をダイヤルするだけです。国内と同じようにすぐ繋がります。
首相 Prime Minister Lee lee_hsien_loong@pmo.gov.sg
FAX: 65-6332-8983
上級相 Senior Minister Goh goh_chok_tong@pmo.gov.sg
FAX: 65-6732-4627
顧問相 Minister Mentor Lee lee_kuan_yew@pmo.gov.sg
FAX: 65-6734-5244
内相 Home Minister Wong wong_kan_seng@mha.gov.sg
FAX: 65-6254-6250
外相 Foreign Minister Yeo george_yeo@mfa.gov.sg
FAX: 65-6474-7885
交通相 Transport Minister Lim raymond_lim@mot.gov.sg
FAX: 65-6375-7734
サンプル文
件名: DPRK Smuggling Network in Singapore
本文:
Dear (上記の名前、もしくはSir/Madam),
I am writing to urge the
http://www.un.org/News/Press/docs//2009/sc9679.doc.htm
Yours sincerely,
(あなた様の氏名)
いま全世界の注目が朝鮮半島に集まっています。これは拉致問題解決、核廃棄を目指す私たちにとって、絶好のチャンスです。
私たちの同胞が助けを待っています。全力を尽くそうではありませんか!